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「リリーカルナ商会推しなんですね」
と、俺は、言った。
俺の言葉に、武器屋の親父は、大きく頷いて、
「まあな。だから、俺の店もリリーカルナ商会から仕入れたものも多い。逆に、ノーハン商会のものは一切おいていない」
と、言った。
「さっきの話の雑貨屋みたいに、店に誰か来たりしなかったんですか?」
と、俺は、聞いた。
来たなと、武器屋の親父はあっさりと頷いた。
「うちはおたくの品物はお断りだと、突っぱねたな」
俺は、どきりとした。
「大丈夫……だったんですか?」
俺は、慎重な聞きかたをした。
ノーハン商会からの圧力などはなかったのだろうか。
「少し友好的な話し合いをしてやったら
、ぴたりと来なくなった」
武器屋の親父の言いかたに一抹の不安を覚えた俺は、
「……具体的に、どんな話し合いをしたんですか?」
武器屋の親父は、今日の朝食を思い出すぐらい自然な調子で、
「確か……そこの角を曲がったところの路地裏に、相手の男三人を呼び出して、そのままぼこって……」
俺は、すっと右手を上げた。
「おおよそのことは、今のでわかりました」





