表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

232/4638

4-20

 実は、先ほどからずっと気になっていたことがあったのだ。


 大げさな言いかたをするならば、不測の事態である。


「ああ……ひどい話だよ」


 と、武器屋の親父は、神妙な面持ちで言った。


「……て言うか、あんたもたいがいひどいと思いますよ」


「何の話だ?」


「俺の持っていた紙袋の中、勝手に開けていましたよね?」


「まあな……」


 しゃくりという音である。


「俺が道中の腹ごなし用に買ってきたゴンリを、食べていますよね?」


 武器屋の親父は、俺が先ほど買ってきた果物であるゴンリを、さも当然のように頬張っていたのである。


「そうだな……しゃくり」


「しゃくりとか擬音をわざわざ言う段階まできてるよ、この人!」


「俺の話を聞きにきたんだろう……しゃく」


「……ええ、まあ」


「あの露店のやつだろう? 爽やかな酸味と甘みが口の中で広がっている……しゃく」


「食レポを聞かせてくれとは言っていませんよっ?」


「堅いことはいうな……しゃくしゃくり」


「もう食べる音しゃべらなくていいよ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42bpk4s771sz1iupmgjda531438n_aix_5k_8c_2
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ