表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

230/4638

4-18

 武器屋の親父の説明で、ノーハン商会の組織の概要がわかってきた。


「……すごいんですね」


 俺は、素直な感想を口にしていた。


 セドリグの嫌味な顔が頭の中でよぎったが、ノーハン商会が急成長した大きな組織であるという理解とは別物にしなければならない。


 ここまでの話だと、社歴(しゃれき)をなぞっただけの話だ。


 昨日の晩、アカリや銀月亭の主人が言うのを遠慮していた理由にはならないだろう。


 おそらくこの先の話になるはずである。


(ここからだ)


 この先の話に、なにかあるはずなのだ。


 俺は、緊張して居ずまいを正した。


 そんな俺の耳に、かさりという音としゃくりという音がゆっくりと響いた。


「……」


 俺は、黙って武器屋の親父の顔を見た。


「そこは、俺もたいしたものだと思っている。だがな、大きくなった理由が、他にもある。そういうふうにのし上がった背景には、それなりに強引なやりかたもあるっていうことだ。黒い噂もてんこ盛りなんだよ」


 武器屋の親父は、堅い表情で言った。


「まあ、こいつは、俺も人伝(ひとづて)に聞いた話なんだがな」


 武器屋の親父はずいっと身を乗り出して、しゃくりという音をさせながら言った。


「そうだな……しごくまっとう真面目な雑貨屋の主人がいたとしよう」


「はい」


 俺が頷いている前で、再びしゃくりという音がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42bpk4s771sz1iupmgjda531438n_aix_5k_8c_2
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ