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4-13

「即答……だと……」


 武器屋の親父は、(うめ)いた。


 武器屋の店先で、お買い得品の(てい)で売られている聖剣レプリカで、そんな幻の秘技が放つことができるのだろうか。


 にわかには考えがたい。


「いいのか? スライムの群れなら、僅かな刃こぼれのみで済ませられる秘技だぞ」


「間に合っています」


「その秘技は、スライムをスラっとスライスするごとき、その名も“殲滅の鼓動(ゼロ・レギオン)”……!」


 韻を踏むように滑らかな口上と中二ライクな技名である。


「間に合っています」


 と、俺が、言った。


「今なら、特別サービスで、幻の秘技のマニュアルまで付いてくるぞ」


 もはや、ノリが実演販売のノリになってきているように思えた。


「さらに今なら、庭のお手入れにも使えるよう、もう一振りエクスカリパーをおまけだ」


「間に合ってます」


 伝説の聖剣レプリカの用途レベルが、一気に下がったようである。


「わかった。台所でも使えるよう、さらにもう一振りエクス……」


「結構です」


 俺は、武器屋の親父の言を即時にキャンセル、略して即キャン、した。


「……つまらないやつだな」


 武器屋の親父は、嘆息した。

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