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4-11

 聖剣レプリカエクスカリパー、やはり、絶妙に弱そうなネーミングである。


 オブラートに包むのをやめて言えば、聖剣レプリカエクスカリパーは、圧倒的知名度を誇る聖剣エクスガリバーのパチモンだ。


 それに、エクスカリパーのネタは、正直もう勘弁してほしかった。


 今日この段階で、一体何回、聖剣レプリカエクスカリパーのことを考えただろうか。


「くくっ。よもや、エクスカリパーの持ち手が、現れるとはな。お前さんが、はじめてだ」


「……」


 俺は、黙っていた。


「この宝庫に長い長い年月くすぶり眠っていたが、ようやくその一振りが日の光を受ける(とき)が、はじめてきたようだ」


「……」


 俺は、さらに黙っていた。


 さももっともらしく武器屋の親父は言っているが、意訳が必要なようだ。


「ようは……このお店に長い長い間売れないで残っていたけど、やっと一本が売れそうな時がきたみたいだ……ですか?」


 と、俺は、聞いた。


 武器屋の親父の肩が、ぴくっと動いた。


 俺は、意訳が正しいと半ば確信しながらも、


「売れていないってことですかね?」


 と、確認するように聞いた。


「……」


 今度は、武器屋の親父が黙る番だった。


「一本も売れていないってことですよね?」

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