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「……どうでもいいんですか」
武器屋の親父は、話をぶった切った後で、目を細めた。
「お前さん、ただ者じゃないだろう? あの動きは、戦い方を知っているやつ……修羅場をくぐり抜けてきたやつの動きだ」
「……」
俺は、固唾をのんだ。
元傭兵らしい武器屋の親父は、あの時の俺の動きを、冷静に分析しているようだった。
「お前さんは隠しているつもりかもしれないが、俺には、お見通しだ。お前さんは……」
武器屋の親父の意味深な口調に、俺は、緊張した。
俺の能力"入力実装"を見抜いたというのだろうか。
(……っ。さすが、元傭兵……)
俺の内心の焦りに覆いかぶせるように、武器屋の親父が、言葉を放った。
「エクスカリパーの持ち手だったのか」
元傭兵らしい武器屋の親父の見立ては、的外れも的外れだった。
「さっき、お前さんは、エクスカリパーを掴むことができなかったと言ったが……」
俺は、武器屋の親父の鋭い眼光を向けられた。
「お前さんほどの力量の持ち主なら、エクスカリパーも使いこなせる……かもしれないな」
と、武器屋の親父の低く渋い声が、響いた。
とても真摯な顔で真面目な調子で語っているが、聖剣の話である。
「……エクスカリパー」
と、俺は、その名を口にした。





