表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/4566

1-22

「ええと、まあ、そんなところです」


 と、俺は、歯切れ悪く、首肯した。


「このヴィセントも、それなりに観光スポットは、あるからなあ」


 八百屋の親父さんは、腕組をしながら、そう言った。


(なるほど)


 この街の名前は、どうやらヴィセントというようだ。


「どこから、来たの?」


 当然の質問だったが、この当たり前の問いかけに、俺は、言葉が詰まった。


 ここは、俺にとっては異世界だが、目の前の八百屋の親父さんにとっては、俺のいた世界が異世界なわけで、教科書通りに答えるならば、異世界から来ました、となるのだろう。


(……って、言えるわけもないか)


 と、自身にノリツッコミを入れながら、俺は、


「ええと……ちょっと歩いてきました」


 と、言った。


 我ながら、何とも雑な答えである。


 八百屋の親父さんは、驚いたように、目を丸くして、


「歩いてきたって……トライデントから、馬車を飛ばしても、丸一日は、かかるぞ。もしかして、お前さん、冒険者なの?そんなふうには、見えないが」


 八百屋の親父さんの話を、聞きながら、俺は、頭の中を整理した。


 トライデントという処が、このヴィセントから、比較的近い場所なのかもしれない。


(それと、冒険者……か)


 ますます、剣と魔法のRPG(アールピージー)の世界観が、ぴったりだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42bpk4s771sz1iupmgjda531438n_aix_5k_8c_2
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ