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4-8

 武器屋の親父は、肩をすくめた。


「勢いがあって、なかなか(さま)になっていたぜ、ぼうず」


 なりふり構わず、相手に向かっていったのが、たまたま功を奏しただけだ。


(勢い、か……必死だったからな)


 俺は、心中苦笑した。


「チンピラどもをのしたそのままの勢いで、イフちゃんの足の近くまで顔を近づけていたじゃないか?」


 と、武器屋の親父が、言った。


「それは、否定します!」


 俺は、即座に否定した。


 イフに対してまぎらわしい所作(しょさ)をしてしまったのは事実だが、絆創膏をしてやろうとしただけなのだ。


「どさくさにまきまれて、足を触っていただろ……」


「それも、否定しますねえ!」


 俺は、武器屋の親父の言を即時にキャンセル、略して即キャン、した。


「俺も、イフたんの太もも、くんかくんかすーはーすーはーしたいお」


「圧倒的否定だよ! て言うか、あの時の心ない野次(やじ)はあんたかっ!」


 武器屋の親父は、真顔で、


「いや。今のは、俺の隣の隣にいた野郎の台詞だよ」


「あんたじゃないんかいっ! まぎらわしいわ!」


「でも、くんかくんかすーはーすーはーしたんだろう?」


「もはや否定を通り越して拒絶したいですねえ! て言うか、ちゃんと意味わかって使ってますっ?」」

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