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「おはようごさいます」
と、俺は、挨拶をした。
武器屋の親父は、俺のほうを一瞥しただけで、商品である武器や防具の手入れをしていた。
武器屋の親父は、気だるそうに、
「何しに来た?」
と、聞いた。
悪気がないのはわかっているが、用件のみをずばっときく、何ともストレートな発言である。
「どうしてもウチで働きたいってか?」
「いえ、違います」
と、俺は、言った。
「あ?」
武器屋の親父の顔色が、変わった。
(ぐおおおおっ)
俺は、内心びくりとなった。
武器屋の親父は、宿屋の銀月亭の主人の友人ということだが、何だか普通の武器屋の主人には見えない雰囲気があった。
その迫力に、俺は、日和そうになったが、
「俺には、エクスカリパーを掴むことができませんでしたから」
と、言葉を繋げた。
「……ほう?」
武器屋の親父の目が光った。





