4-1
四日目の朝が訪れた。
鳥のさえずりで目が覚めた俺は、大きく背伸びをした。
目覚まし時計のベルでなくても、自然と起きられるものである。
昨晩もぐっすりと寝られたし、夢を見るようなこともなかった。
疲れていたからだろう。
四日目の朝、今日も、快晴である。
(今日も一日頑張ってみるか)
と、俺は、思った。
頑張るや頑張れという言葉は、非常に便利である、便利である反面、賛否両論ある。
頑張るという一言でも、言った側がこの言葉に込める気持ちは十人十色だし、言われた側の受け取り方も様々だろう、だから安易に気安く言えないという意見もある。
ただ、俺としては、そこまで深く考えずに自分自身に言い聞かせる調子で、この言葉を使うのは好きだ。
理由はあってない、今言ったようにそこまで深く考えていないのだ、言わばフィーリングの問題である。
一階まで降りると、アカリが女神エスト像に祈りを捧げていた。
毎日の習慣なのだろう。
今日もよい一日でありますようになどと敬虔な祈りの言葉を唱えている。
祈りを終えたアカリは、俺に気づいて、
「おはよう、ソラ君」
と、言った。
「ああ、おはよう、アカリ」
俺も、挨拶を返した。





