206/4638
3-122
(ようは、致命的でなければ何でも来なさい、だ)
と、俺は、思った。
そして、今の俺にとって致命的なものの最たるは、この異世界における俺自身の有期存在契約だ。
自身の存在の存亡が関わっているのだ。
猪突猛進や蛮勇や突進は愚の骨頂だが、ためらいもまた、望ましくないような気がしていた。
俺は、内心苦笑して肩をすくめて、
(やれるべきことはやっておくさ)
別れ際の哀しげなイフの顔が、俺の脳裏をかすめた。
今の俺にとって大切なのはノーハン商会の情報集めである。
「ありがとう。明日、武器屋に聞きに行ってみることにするよ」
と、俺は、アカリに礼を言った。
「どういたしましてっ」
アカリは、にっこりと笑った。
「ソラ君。明日もクエストに出るの?」
と、アカリが、聞いた。
俺は、頷いた。
「そのつもりだ。また、調達クエストにしようと思っている」
「パーティーを組んでいるっていう女の子と一緒?」
「ああ。明日、冒険者ギルドで落ち合うことになっている」
と、俺は、答えた。





