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「そうすると、あいつらは、武器屋の人間ってわけか?」
と、俺は、聞いた。
俺は、チンピラたちとの騒動のことを思い出していた、やっていることは当たり屋そのものだった。
「ガラが悪いなんてものじゃなかったぞ」
と、俺は、アカリに言った。
人を見かけで判断してはならないとは、よく言われるし、実際に金言だと思う。
しかし、あのチンピラたちが商売人には、とても見えなかった。
「私も、詳しくは知らないけど、ガラのよくない人たちも確かにいるかもしれないね……」
と、アカリは、言った。
(ガラの悪い武器商人団体の構成員……みたいなところか)
と、俺は、思った。
憶測の域を出ないから、もう少し調べる必要がありそうだ。
「トライデントに、本部があるはずだよ」
と、アカリが、補足するように言った。
トライデントは、このヴィセントの街の隣の街だ。
八百屋の親父さん情報によると、馬車を飛ばして丸一日、の距離らしい。
(どのくらいの距離なんだろうな)
と、俺は、漠然と考えた。
今のところ、この異世界では、車やバイクなどの類は、まったく目にしていない。
移動手段は、徒歩とか馬になるのだろう。





