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街の案内所を探しはじめて、二分ほどしか経っていない。
にもかかわらず、早速、俺は、壁にぶち当たっていた。
挫折するまで多分これが一番早いと思います、そんなネタ文句が、浮かんできた。
TASさんも、真っ青である。
気づいてしまったのだ。
俺は、この世界の文字が、読めないようである。
「さっぱりわからないぞ……」
俺は、ぐるりと、辺りを見回した。
例えば、大通りの看板には、恐らくはその通りの名前が記されているのだろうし、店先の看板には、恐らくは店名や簡単な店の種類などが記されていると思うのだが、一字たりとて読み取れない。
山田通りのパン屋の古村屋……そのような情報が、読めないのだ。
(まずいな)
文字は、象形文字なのか指示文字なのか介意文字なのか形声文字なのかはさっぱりで、よく見てみると、そもそも漢字というよりは、アルファベットに近いような気もする。
試しに、ある店の中をちらりと覗き込んでみた。
テーブルとイスが、たくさんあって、大勢の人が、食事をしていた。
ピザのようなものやパスタのようなものが供されていることから、イタリアンのような飲食店だろうか。
別の店では、赤ら顔の人々が、酒をあおっているのが見えて、
(あっちは、酒場か)
と、俺は、思った。
街を歩いていくと、道具屋、武器屋、洋服屋と、色々な店が、揃っているようだ。
この辺りは、商業区画で、街の中心の一つとみて、よさそうである。





