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1-2

 つい先ほどまで、俺は青空の中にいた。


 こんな表現はどうかと自分でも思うが、実際にそうなのだから仕方がない。


 俺は、四方を、文字通り雲一つない快晴の青空に囲まれていた。


 俺の足元の革靴は、地面ではなく空を踏んでいた。


(一体どうなっているんだ)


 と、俺は、思った。


 この青空には、見えないガラスの床というかフロアというかもしくは地面でもあるのだろうか。


 俺は、恐る恐る一歩前に進んでみた。


 何てこともない、ただ一歩進んだだけだった。


「空の中にいるのか……」


 と、俺は、先を眺めながら言った。


 地平線なんて見えもしない。


 先にも後にも、ただただ、青色の空が広がるだけだ。


 不意に、根拠のない寂寥感がこみ上げてきた。


 思いきり叫びたい衝動にかられたが、叫んでも無駄なような気がした。


 目視する限り、誰もいやしない。


 自分以外は、人っ子一人いない。


 明るすぎる青空の中、俺がとまどっていると、


「お待ちしていました」


 と、柔らかい女性の声が、響いた。

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