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「……わかった」
俺は、息をついた。
「……次からは、不用意な発言は気をつける」
と、俺は、言った。
「悪かったな、アカリ」
俺は、アカリの目を見て、はっきりと言った。
アカリの表情が、ふっと和らいだ。
「ソラ君……」
と、アカリが、言った。
確かに、元はと言えば俺の余計な一言が招いた事態である。
己に非がある以上、素直に謝罪するのが筋だ。
アカリは、俺が素直に謝ったのに驚いたようで、
「……素直に謝れちゃうんだ……」
と、つぶやいた。
「当たり前だろう?」
俺は、当然のことをしただけである。
アカリの髪が、ふわりと揺れた。
「……すごいな……」
アカリは、こそっと言った。
「……アカリ?」





