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俺に聞かれたイフは、小さな口をほんの少し開いたまま、俺を見た。
「クエストだよ。さっき、あのセドリグってやつに啖呵をきっていたじゃないか」
と、俺は、苦笑しながら言った。
イフの瞳に、きらきらとした光が戻った。
「は、はいっ! そうでした」
イフは、慌てたように俺の言葉を肯定した。
「明日も、クエスト、どうぞよろしくお願いします!」
と、イフは、はっきりとした口調で言った。
小柄な身体でガッツポーズをとっているイフを見て、俺は安堵した、どうやら少し元気が出てきたようである。
「俺のほうこそ、よろしくな。俺たちのペースで頑張ろうぜ」
俺は、ぽむぽむとイフの頭に手をやった。
「ひゃう……!」
イフが、声をあげた。
「どうかしたか?」
イフは、上目遣いに、
「……やっぱり、ソラは、大胆です」
と、小さな声で言った。
「そうか?」
イフの言葉の意味がわからず、俺はそんなふうに聞いた。
俺たちは、明日冒険者ギルドのロビーで落ち合うことを約束して、解散した。





