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3-95

「イフは、頑張り屋ですよ。それを否定する権利が、あるんですか?」


 と、俺は、言った。


 男性の目が、光った。


「ふうん。単なる案山子(かかし)でもなかったのか」


 男性は、面倒そうに言ってから、


「人にものを尋ねる時は、まず自らを名のるべきだろう?」


 俺と男性は、数秒間無言で視線を交わした。


 俺は、その沈黙を破るように、


「……ココノエ、ソラだ」


 男は、にやっとして、


「そうか。君がねえ……なるほど」


 思わせぶりにもってまわったような言いかただ。


 だいたい、今までの話の流れからすれば、この男性は俺のことをわかっていたはずだ。


 そのうえで、こんなもってまわったやり取りをしているのだ。


「何が、なるほどなんだ?」


 しゃくに障ったが、俺は先を促した。


「あれ? 敬語を使うのはやめたのかな」


 男性は、自身の赤のポケットチーフの位置を正しながら、何気ない調子で聞いた。


「あんたと俺は、考えてみたら、そんなに年も変わらなそうだしな。それに、敬語というのは、相手を敬っている時に、使うものだろう?」


 と、俺は、言った。

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