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3-88

「仲直りの(しるし)として、もう一切れいただきました……もぐ、やっぱりツカチンメも、すごくおいしいです。ありがとうございます」


 小さな口いっぱいに頬張ったイフは、幸せそうにほっこりとした表情である。


「こらこらこら! 何やってんの?」


 俺は、声をあげていた。


「もぐ……ええと、ソラのツカメンチをもらいました」


 イフは、生真面目な調子で答えた。


「そりゃ見ればわかる」


 と、俺は、言った。


「何そのやり遂げだ感は? 何で頑張っちゃった感出してるの?」


 こうなったら、泥仕合上等である。


 今はそれどころではないが、イフが取られたメンチカツめいた揚げ物は、ツカチンメと言うようだ。


 俺のフォークが、高速の光のごとき速さで動いた。


「ああああああああああああああああああっ!」


 今度は、イフが再び叫んでいた。


 言うまでもない、俺が再びイフの料理を賞味していたのだ。


「むぐ……やはり、グーバンハはうまいな……って、ぎゃああああああああああああ!」


 俺がわめいたのは、もうおわかりだろう、電光石火のイフのフォークさばきによって、俺のツカチンメの一切れが消えていったからだ。


 因果応報(いんがおうほう)、目には目を云々(うんぬん)である。


 もはやむちゃむちゃである。


 そんなことを繰り合えしながら、何だかんだで、俺とイフはそれぞれのプレートの料理を半分ずつ分け合うような形になっていた。

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