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3-87

「ちょっと、もう一切れもらっただけだろう。こちらの一切れに対して、そちらは二切れ。これじゃ、不平等だぞ」


 と、俺も、反論した。


「勝手に取ったことへのペナルティです」


 半泣き顔のイフが、きっぱり言った。


「……ぐぬ」


 俺は、言葉に詰まった。


 女の子の涙は反則だ、何かの古典にもそう記してある、かもしれない。


(……)


 俺は、黙って逡巡(しゅんじゅん)した。


 一言断ってから、イフのグーバンハをもらえばよかったのだ。


 確かに、イフの言う通りである、非は俺にあるだろう。


「……ごめんな、イフ。俺が悪かった」


 俺は、素直に謝った。


「わかってもらえたのなら、それでいいです」


 イフは、柔らかくほほ笑んだ。


「ああ。俺ももう少し……って、ぎゃあああああああああああああああああっ!」


 俺は、再び叫んでいた。


 それもそのはず、ほほ笑んだイフの口元には、メンチカツめいた揚げ物がさらに一切れ(とう)じられていたからである。


「何でさらっとしれっと、もう一切れ追加しているんだよ!」


 予想外、想定外の展開来たれり、といったところだ。

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