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イフのプレートから、一切れをもらった。
（うまいな）
と、俺は、思った。
やはり、味はハンバーグそのものである。
とてもジューシーで、噛むほどに口の中に肉の旨みが柔らかく伝わってきた。
俺の表情を見ていたイフは、満足そうだった。
「おいしいでしょう？」
俺の返答を確信しているような口ぶりである。
「ああ。うまい」
「よかった。では、ソラのものも味見させてください」
「いいよ。交換だ」
俺のプレートは、メンチカツのような揚げ物とキャベツのような野菜の千切りである。
こちらも、ライスとスープ付きだ。
「いただきます」
イフは、丁寧に言ってから、俺のプレートから、一切れを口にした。
小さな口をゆっくりと動かしていたが、イフは、うんと頷いた。
「このセットを食べたのははじめてですが、おいしいです」
「それはよかった」
俺は、言いながら、メンチカツのような揚げ物を口に頬張った。
さくさくとした衣と中の溢れんばかりの肉汁のコントラストに、俺は目を丸くした。
