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「……」
「……そうね」
俺とネラーの視線が交錯する。
ネラーは、
「いえ、われながら愚問だったわ」
と、続けた。
答えは、決まっている。
俺の返答は決まっている。
そうとでも言わんばかりの調子だった。
「……」
黙っている俺のに向かって、
「来るでしょう?」
そう言い直したネラーは、ひとりでどんどんと進んでいった。
そんなふうに俺とネラーが話している間にも、どんどんと黒服たちが迫ってきていた。
「あそこだっ!」
「行け、行け、行けっ!」
「なぐりこみかっ!」
怒号の嵐である。
声を荒げながらも、しっかりと統率がとれた感じで黒服たちが集まってくる。
まるで、俺のいた世界の人気があった時代劇のようである。





