表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

151/4633

3-67

 もちろん、最終的にはどちらかを選ぶ必要がある場合の好みの問題で、俺自身シンボルエンカウントでも名作だと思う作品は多々ある。


 偉そうにランダムエンカウント推しで述懐(じゅっかい)してみたが、悲惨な思い出も多々ある。


 意図せず適正レベル以上のダンジョンに挑戦してしまった時のことだ。


 当たり前だが、ダンジョンの道中は苦戦の連続であった。


 MP(マジックポイント)はあっけなく底をつくし、完全回復の貴重なアイテムを使いまくりながら、そんな強行軍だ。


 それでも何とか最深部のセーブポイントまで辿りつきそうだというシチュエーションで、画面が突然点滅してランダムエンカウントして全滅したのは、苦い思い出だ。


 それに三歩ほど歩くごとにランダムエンカウントの洗礼を受けるクソゲーには辟易(へきえき)したりもした。


 これらの経験は、RPG(アールピージー)ゲームに触れたことのある諸兄姉(しょけいし)ならば、身に覚えがあるのではないだろうか。


 まさに悲喜こもごもである。


 ただし実際は、ランダムエンカウントは空想上の産物でシンボルカウントが現実である。


 一本道を歩いている時に、相手はいきなり何もない空間から飛び出してきたりはしない。


(しかしだ……)


 俺は、とまどっていた。


 このいきなりスライムの群れに囲まれている状況は、まるでそんな現実の法則を無視して、ランダムエンカウントしている状況だ。


「ソラ」


 イフが、緊張した面持ちで俺に呼びかけた。


 俺は、じりじりと迫りくるスライムの群れを見すえた。


 しかし、今は原因探しに拘泥(こうでい)している場合ではない。


「……ままよ!」


 俺は、言いきった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42bpk4s771sz1iupmgjda531438n_aix_5k_8c_2
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ