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「どうしたんだ?」
イフが何か話したそうなので、俺は水を向けてみた。
「ソラ。少し話をしてもいいですか?」
と、イフが、聞いてきた。
「構わないぞ。俺も、黙りこくって摘んでいるだけだと飽きてくるからな」
「私たちは、パーティーです」
「そうだな」
俺は、相槌をうった。
「私にとっては、ソラはパーティーのメンバーです」
イフは、一呼吸おいてから、
「私は、ソラのことをまだあんまり知らないと思うんです。ソラのことをもっと知りたい」
「そうだな。俺も、パーティーメンバーのイフのことはもっと知りたい」
俺たちはとにもかくにも即席のパーティーである、もう少しお互いのことを知り合う必要があるだろう。
その時だった。
不意に、辺りに妙なプレッシャーを感じた。
(……なんだ?)
不穏なざわつきが、俺の頬をかずめていった。
イフの顔が強ばったのを見て、俺は何かが起きたのを感じた。
「……ソラ。モンスターです!」
イフが、緊張した面持ちで言った。





