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「ですが、超低級モンスターですから、それほど心配ないでしょう。例えば、スライム数匹ほどなら、私一人でも十分対処できます」
「そうだな」
マーシャルの評価からすれば、俺もスライムとなら十分に渡り合えるはずだ。
「ゴブリンは、スライムと比べてどうなんだ?」
「少し強い、といったところでしょうか。ゴブリン一体はスライム五匹に該たるとも言われています」
と、イフは、答えた。
俺は、頭の中でこのクエストの内容について吟味していた。
イフの言ってくれた情報をまとめると、リスクは少なめのようだ。
場所も遠くはないし、首尾よくこなせれば、日没までには街に帰ってこられるのではないだろうか。
(日帰りコースだな)
と、俺は、思った。
もちろんゼロリスクではないから、危険がまったくないわけではない。
しかし、リスクを恐れていては、何もできなくなってしまうだろう。
雨に濡れて汚れるからと、用事があるにもかかわらず出かけないのはナンセンスだ。
しっかりと準備をして、傘をさしていけばいいだけの話である。
このクエストは、俺たちの初陣としては、悪くない選択肢である。
これなら、達成できるような気がした。
「俺に異論はない。これにしよう」
と、俺は、言った。
「では、マーシャルさんに申し込みの手続きをお願いしてきます」





