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3-56

 俺とイフと見ているクエストの張り紙との間に、ひゅうぉっと冷たい風が吹いたような気がした、あくまで気がしただけで、感情の問題だ。


「……随分とフレンドリーだが、うん、軽いノリのわりに厳しそうなクエストだな」


 俺は、重たい調子で言った。


 フレンドリーなのはイラストの部分だけのようである。


「そう、ですね」


 イフの相づちも歯切れが悪かった。


「それに、最後の補足みたいな部分に、さらっと恐ろしいことが書かれているな」


 イフは、クエストの詳細を見ながら、


「そうですね。対象モンスターは……キラーオーク……オーク種族の上位種……少なくとも、私たち向きではないでしょう」


「……同感だ」


 俺とイフは、がっくりと肩を落とした。


 しょっぱなから、インパクトが強すぎるクエストに出会ってしまったようだ。


 俺は、別の張り紙を指した。


「これはどうだろう? 何かテンションあげあげな感じが伝わってくるぞ」


 読みやすい大きめの文字が、エネルギッシュである。


「『若い冒険者から熟練冒険者まで、笑顔あふれるアットホームなクエストです! 経験不問。 努力次第で報酬大幅アップ!』……何のクエストか明示していないですね。それと、報酬額も不透明です」


 と、イフが、読み上げた。


「……そうか」


 俺は、言葉に詰まった。


 もはや単なる求人広告の様相である、しかも心なしか黒いイメージもぬるっと感じる具合だ。

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