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(だから、内容と熱量に差があるのか)
と、俺は、思った。
「冒険者ギルドの基本理念は、地域に根ざした活動です。もちろん冒険者として実績や武功をあげることは大切ですが、その地域の役に立っててこそ、一流の冒険者であると、私は思います」
そう言って、イフは、いくつかの張り紙を指し示した。
「例えば、これは、畑で悪さをするモンスターの追い払いのクエストですし、こちらは、高齢な女性の有名な病院がある隣の街のトライデントまでの護衛のクエストです」
(なるほど)
俺は、心中頷いた。
地域の平和と民間人の安全を守るという、私設警察的な役割も担っているのかもしれない。
「地域住人のお助けクエストみたいなものか」
俺は、あごに親指を当てて言った。
イフは、首肯した。
(冒険者は、何でも屋、万屋の側面もあるみたいだな)
と、俺は、思いながら、気になった一枚の張り紙を指さした。
「これなんか、やけにポップなイメージだよな」
と、俺は、言った。
周りの貼り紙よりも全体的にまるい雰囲気を持っているので、比較的低い階級の冒険者向けのクエストではないかと、ふんだのだ。
かわいらしく描かれた男の子や女の子の剣士や魔法使いたちがこれまたファンシーに描かれた魔物たちと対峙しているイラストつきである。
微妙なアマチュアかげんが、俺のいた世界の地域のバザー告知や体育祭告知や文化祭告知などのイラストに通ずるものがあって、ほっこりした気分になった。
イフは、ふむふむと張り紙をよく見てから、
「討伐クエストですね。『今ならキャンペーン実施中! みんなで楽しく狩っちゃおう? お得なクーポンもあるよ! あと対象モンスターは強力だから、即死もあるよ! 気をつけようね(ハート)』とあります」





