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マーシャルは、冒険者ギルドの受付という立場もあるから"六芒星測定"の測定の結果がきちんと出て安心しているようだった。
「よかった。ラテュレ様が言われたように、魔方陣のエラーだったのですね」
「みたいですね」
ここは話の流れに乗っかっておくことにした。
ラテュレの言葉を鵜呑みにしたわけではないが、また俺自身とてもそうもおもえないのだが、もし仮にラテュレが指摘したように本当に俺が"六芒星測定"魔方陣をはみ出すほどの規格外の力をもっているのだとしたら、それが原因で大騒ぎになるかもしれないからだ。
だからこそ、ラテュレはいわゆる無難なステータスを仮装したのだろう。
それならば、波風をたてるのは得策ではない、今は地盤固めだ。
「イフさんが言うように、ココノエさんの昨日の騒動での活躍ぶりからすると、少し階級は低いようにも思えますが、これが正確な測定結果となります」
「わかりました」
と、俺は、返事をした。
「初回登録時でEEEというのは、なかなかのものですよ」
「もう少し具体的に言ってもらえると助かります」
と、俺は、言った。
この階級はこのくらいであの階級はこのくらいという、ここである程度具体的なイメージを持っていたほうが、今後も何かと動きやすいだろう。
EEEは、全部で十九ある階級の内の上から数えて十四番目である。
はたしてどのくらいのものなのだろうか。
そうですねとマーシャルは腕組をしながら、
「スライムが五十匹出てきてもやっちゃらですね! 無双できます!」
無双という言葉自体は、嫌いではない。
しかし、マーシャルの言う無双はどこかピントがずれているような気がした。





