3-48
「ずいぶんと具体的ね。まるで、本当に会ったことがあるみたい」
ラテュレの一言に、俺はどきりとしたと同時に、しまったと思った。
(……鋭い勘しているな)
俺が内心冷や汗をかいていると、ラテュレは目をつむって、
「まあ、妄言ね。あなたのくだらない妄想としては、楽しめたわ」
と、言った。
ラテュレの言葉に、俺は今度はほっとしていた。
「そんなどSで鬼畜な女神様なんているわけないもの」
「……そうだな」
「天使のような笑顔で人を突き落とす……そんな真似できるのは、悪魔でしょう?」
「……多分そうだな」
「内緒話は、ここまでにしましょう。何となくだけれど、あなたとはまた会うことになりそうな気がするわ。せいぜい頑張ってね」
と、ラテュレは、、ひょうひょうとした調子で言った。
「あなた、名前は?」
と、ラテュレが、聞いた。
「ココノエ・ソラだ。ソラと呼んでもらえると、助かる」
「わかったわ。ソラ。私のことも、大賢者の一番弟子ではなくて、ラテュレと呼んでちょうだい。大賢者の一番弟子なのは間違いないし、私がすごい魔法使いであることも事実なのだけれど、ジジイはジジイで私は私なんだから」
ラテュレの自信たっぷりの言いかたは、清々(すがすが)しくまっすぐに感じられた、こういうのも悪くないような気がした。
俺は、笑って、
「わかったよ、ラテュレ」





