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痛みよりもビジュアルに、俺はやられそうになった。
俺は、極力自身の血を見ないようにした。
やや遅れて、ずきずきとした鈍い痛みが襲ってきた。
明らかに、指を切りすぎた。
過ぎたるはなお及ばざるがごとし、何事もやりすぎは禁物だ。
これには、イフもびっくりしてしまったようで、
「ソ、ソラっ! 大丈夫ですかっ?」
と、大声をあげていた。
少し深く切ってしまったようで、どばどばと俺の血が羊皮紙に描かれた魔方陣にしたたり落ちた。
「……豪快ですね。痛くないのですか?」
イフが、心配そうに言った。
「マアネゼンゼンイタクナイヨ」
こうなったら、精一杯やせ我慢をするだけだ。
俺は、学生服から絆創膏を取り出して、自身の人差し指にぺたりと貼ったが、やはりすぐに赤くにじんでしまった。
数分もすると、この一ハプニングも落ち着いてきた。
(とんだ災難だった……)
俺は、心中嘆息した。
俺の血がにじんだ羊皮紙が、ぼうっと青白い光を放った。
「きたっ……!」
イフは、思わず声をあげていた。





