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有期契約の期間は、百日間だと、告げられた。
当然、気になってくるのは、契約期間が切れた、その後である。
「百日間の有期契約の後は……どうなる?」
と、俺は、恐る恐る、エストに、聞いてみた。
エストは、何を当たり前のことを聞くのだというような顔をして、俺の目を見て、
「それで、終わりです」
と、言った。
すました顔である。
ほんの数秒の沈黙が、訪れた。
「……は?」
俺の表情は、こわばっていた。
嫌な予感とは、よく当たるものだ。
「あの……それで、終わりって、どういうこと?」
「百日間で終わりということです。存在契約期間が満了となるので、その先は、ありません。その時点で、この世界におけるあなたという存在が、終わりになります。終わりと言っても、綺麗に消滅するだけですから、痛みなどはありません。でも、すでに一度、むこうの世界でも終わりになっているのですから、特に、問題ないですよね」
「問題あるよね。今、さらっと言ってくれたけれども、結構問題あると、思う」
前言撤回というか、第一印象撤回だ。
掛け値なしの美少女で、ミス何某とかの美少女コンテストやグランプリに、出場していてもおかしくない容姿から、すごいおしとやかで清楚なお嬢様然とした人物像を、抱いていたんだが、何だか、雲行きが怪しくなってきたような気がする。
(結構、すました顔で、毒を吐くな)
「……鬼畜女神だとか、思っていませんか?」
この女神は、心が、読めるのだろうか。





