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「……えっと」
イフは、自身で切った人差し指を抑えながら、六芒星を凝視していた。
自分の今の能力が、気になるのかもしれない。
「ソラもきちんと見てくださいね。パーティーメンバーのことは、よく知っておいてほしいです」
イフは、羊皮紙の六芒星とにらめっこしながら言った。
「了解だ」
俺も、イフのやや後方から、六芒星を凝視した。
「よく見てください」
イフが、一生懸命な調子で言った。
「さっき聞いたよ。それに、よく見てる」
「これが、パートナーである私の……ありのままの現状なんですから」
「……イフ。微妙に勘違いするようなきわどい発言は慎んでくれるか?」
イフは、俺の心配をよそに小首を傾げた。
「……? 何の話ですか?」
「……いや、何でもない」
俺は、嘆息気味に返した。
マーシャルは、やや咳き込んで、
「……お布団の上での何とかトークみたいな言葉は、控えてほしいのですが」
「誤解ですよ! それにスルーできそうだったところを混ぜっ返さないでくださいよ!」
俺は、マーシャルにツッコんでいた。





