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俺が、不理解な表情をしていたからだろう、マーシャルは、助け船を出すように、
「冒険者登録の際の登録テスト、のようなものです」
と、言った。
(なるほど)
と、俺は、腑に落ちた。
おそらくは学習塾の入塾テストのようなものだろう。
入塾の際にはテストを受けて、その成績に応じてクラス分けがされる。
塾側としては、クラス分けの参考にする、というスタンスだ。
クラスの生徒の間で学力にばらつきがありすぎると、授業の進行に支障がでるのは必然であるから、入塾テストは円滑な授業運営にも役立っている。
生徒側としても、授業についていけないもしくは退屈してしまうといったこともなく、自分の学力に見合った授業を受けることができる。
まさに、ウィン・ウィンの関係だ。
俺が通っていた塾では三段階のクラスに分かれていたが、俺は、一番下のクラスだった。
英語が壊滅的に出来が悪く、他の人並みの成績の教科の足を引っ張るような形だったからである。
塾には色々な生徒がいた。
三単現のSや動詞の活用がどうにも苦手だった俺が偉そうに語れるべくもないが、俺を超える者たちも多々いたことを思い出した。
私は小山です、の英訳を間違っていたのは、同じクラスの小山という生徒で、小山とはよく塾帰りに買い食いをしていた仲で、飾らない気のいいやつだった。
アイ アー コヤマ。
正解は、areの部分がamである。
(あいつも……少しはできるようになっているんだろうな)
俺は、懐かしく思った。





