3-21
「パーティーは、恋人だと考えてもらえばわかりやすいでしょうか。あ、男性同士女性同士のパーティーならどうなるんだとかいう指摘はなしにしてください。あくまで、例えです」
と、マーシャルが、ほんの少し口調を崩して言った。
「……ひゃう! こ、恋人……っ!」
なぜか、イフが突然顔を真っ赤にして、てんぱっていた。
何かごにょごにょ言いながら、俯きだすしまつだ。
「カップルと言っても千差万別十人十色、色々です。同年代カップルも年の差カップルも素敵だけれども、バランスで言えば、どういうのがいいのかということです。答えは自分で見つけるものですから、よく考えてみてください」
マーシャルは、楽しそうにほほ笑んだ。
どんなカップルがいいのかなんて、一長一短で答えのない袋小路の命題だと思った。
もちろん、俺は、現実というリアルの生活が充実しているリア充キャラではなかったら、そういうことに正直疎い、というか、よくわからない。
テレビやネットや雑誌などで色々なカップルの特集や話題があったが、みんな幸せになったり苦しんだり出会ったり別れたり、どれもがある意味正解だしどれもが何かしらの問題を抱えていた。
(どれが正しいかなんて、そんなものは……)
マーシャルは、そんなことを考えていた俺の心を見透かしたように、
「そんな答えがあいまいになるようなこと、考えたって意味がない……そう思いましたか?」
と、聞いた。
「……いえ、それは……」
俺は、言い返せなかった。
「でもね」
呟くような祈るような一言だった。
「考えることに意味があるんですよ。きっと」
そう言ったマーシャルの口調は優しくて、そっと誰かを包み込むような温かさがあった。





