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受付の女性は、興味津々といった調子で、
「トライデントのノーハン商会の人たちを、あっという間にのしてしまったそうですね」
と、言った。
俺は、苦笑いでごまかした。
(……まあ、そういうことだよな)
受付の女性の口ぶりからして予想はしていたが、この冒険者ギルドにも、昨日の騒動の噂は及んでいたようだ。
俺たちのやり取りが耳に入ったのか、まわりの他の受付の人や冒険者たちの好奇の眼差しを感じた。
「そんな実力のあるかたが、このヴィセントの冒険者ギルドに所属変更していただけるなんて光栄です。今、照会をしますので、現在の所属ギルドを教えていただけますか?」
と、受付の女性は、にっこりとして聞いた。
「ギルドへの登録は、はじめてなんです」
と、俺は、言った。
「そうなんですか? 噂では、かなり凄腕の冒険者に匹敵するだろうとうかがっていましたので……そう、ですか」
受付の女性は、意外そうに言ったが、それ以上は詮索してこなかった。
冒険者という職業上色々な事情の者たちが集まるだろうし、それらを一々斟酌していたのではきりがないのかもしれない、俺は、そんなことを想像していた。
俺の横にちょこんとひかえていたイフが、すっと前に出て、
「マーシャルさん。今日は、ソラのギルドへの登録できたんです」
と、言った。
「私とパーティーを組んでもらうんです」
マーシャルと呼ばれた受付の女性は、ふうんと頷いた。
「登録の申請とパーティー決定の申請ね。わかったわ」





