ホシノアイ
とある月曜日の夜、葉川喫茶でテレビを食い入るように、三人もとい、二人と一人の幽霊が、いつかの小説家が脚本したドラマを見ている。
女性と幽霊が座っているカウンター席には、ピカピカの万年筆と大きなチョコケーキが置いてあり、ケーキは三人分ほど切り取られて皿に移されている。そのうちの一つは、誕生日おめでとうとチョコで書かれた白い砂糖のプレートが乗っており、誰も手をつけていないようだ。
女性は好みの俳優が喋るたびに騒ぎ、マスターはそれを無視してじっとテレビの方を向いている。
物語はクライマックスに差しかかり、女性も喋ることをやめ、真剣に見始めた。
「…そして、七夕の日。織姫星は橋が架かる前に彦星に会いに行こうとして落ちてしまったのでした。それを悲しんだ彦星は、後を追って自ら流れ星となり、少年の下へ怒りの炎を燃やし、降り注いでいきます。
少年は、自分に真っ直ぐ落ちてくる彦星を見てにっこりと笑うと、両手を広げてこう言いました。」
「あいしてる」
あまり上手くまとまらなかった気もしますがこれにて完結!見てくださった方ありがとうございました。次は異世界もの(長編)を書いてみるつもりなのでそちらも見ていただけると幸いです。他の作品もよろしくお願いします。
時系列⑥→④-2 7月6日→7月7日 七夕の日→①→②~→~③→④-1→⑤→⑦→⑧→ホシノアイ