少年よ
あれはたしか半年前くらいだったかな…
「好きです!!付き合ってください!!」
「気持ちはうれしいけど…ごめんなさい…私、好きな人がいるの…」
そう、フラれた。あの時は泣いたな〜…。そんなんで、しばらく浮かない顔してたら一人の女子が話しかけてきたんだ。
「どうしたの?大丈夫?」
おれは…そいつに洗いざらい話しちまった。それでも彼女は、黙っててくれた。正直嬉しかった…それで調子に乗ってこんな事まで話しちまった。
「俺さ…あいつの事、諦めきれないんだよな…」
「あら、そうなの?なら、振り向いてもらえるように頑張らなきゃ!」
そして…地獄とも言える闘い(?)が始まった。
「全く…きちんとしなさい!!」
「でも…これ…きつ…」
「つべこべ言わない!!」
そう…こいつまさかの鬼コーチだった。走り込みに筋トレ、甘い言葉のかけかた等々…ホントに地獄だったよ…まあそのおかげでヘタレっぽさがなくなったけどな。そこは感謝してる。
…実はその後俺の好きな女は、そのあと彼氏ができたらしい…。俺はその当時あまりにも大きいショックであいつにこの事実を伝えられなかった…
そして…
「今日も鬼の特訓ですか…」
俺はそいつと廊下を歩いていた。結局こいつはあの女に彼氏ができた事を知った。しかし彼女は特訓を続けると言い、俺は半ば強制的に参加していた。
「当たり前よ〜。けっこう楽しいもの。」
くそっ。こいつSか?しかし今の俺は、別の事で頭がいっぱいだった。
「なあ…頼み事していいか?」
「何?なんでも引き受けるけど?」
彼女は笑う。俺は自分の顔がこわばるのが分かった。頼む…もうこれ以上は…俺はひとつ、深呼吸し、
「俺と付き合ってくれないか?」
彼女は俺の言葉に呆然としていた。そして彼女はこう言った。
「頼み事って…そんな重要な事頼まないでよ…」
彼女はうつむく。くそっ。俺は二回目の失敗を侵すのか?そう思った時、
「あだっ!!」
彼女にひざかっくんを喰らった。痛い。ものごっつ痛いぜ…
「なにす…!?」
俺がキレかけたその時、彼女は俺の唇にやさしく口づけをした。
そして今日
俺らはあの日から付き合い始めた。今、笑いながら
二人で廊下を歩いている。俺は今、幸せだ。