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〈怪盗〉さんミナミに潜入し情報を盗む

アキバ所属の〈冒険者〉である私は今、〈円卓会議〉の指令を受けミナミの街に潜入し〈Plant hwyaden〉《プラント・フロウデン》の内情を探っていた。

 ミナミの街をうろつきながら神経を尖らせて人々の会話に耳をすませ、数時間、その間何も食べずにいたからかお腹がぐぎゅるぐぎゅると悲鳴を上げる。

「はぁ、お腹減ったわねぇ」

 周りには屋台が立ち並び肉が焼けるような音やケチャップの酸っぱい匂いなど祭りにでも来たような食欲をそそる空気が立ち込めているのになんで自分はこんなひもじい思いをしているんだろう。

 人がごった返すミナミの繁華街の一角で人ごみにまぎれながら歩いてそう思う。


「こんなことなら円卓の依頼なんて受けるんじゃなかったわ。

 今度帰ったらギルマスの自腹で〈キッチン・ぷう〉のとんかつや〈涼風茶房〉のバニラアイスをレイパーカーの明太子ホットサンドをやけ食いしてやりましょうか」


 そんな風に懐かしい味を思い出していたからかまた腹が鳴った。

最初のうちは腹が鳴るたびに恥ずかしがっていたものだけれどどうせ誰も気づかないということを悟ってからは腹の音にもなんとも思わなくなってしまった。

この潜入クエストの間に女としてのレベルが大暴落している気がしてならない。


「しかし、ミナミは今、他所の〈冒険者〉じゃ買い食いすらできないなんてね。

 円卓も教えてくれれば〈魔法の鞄〉いっぱいに食料をもってきたのに」


 お蔭で料理人スキルのない私はもう数週間も味のついたご飯を食べていない。てっきりこちらまで来れば糧食を買い足せると思っていたから行きだけで調理済みの食糧は食べつくしてしまった。残りは旅程で仕入れた素材アイテムと重ね持ちができるからインベントリに重ねて持ってきた〈大災害〉前に作った食料アイテムだけだ。

調べたところミナミでは従来存在した貨幣経済は〈十席会議〉において停止させられているらしい。ミナミの<冒険者>や<大地人>にはその功績に応じて段階性のギルドパスが発行されそのランクに応じた飲食店や宿舎を完全無料で利用できるらしい。それはつまり他所の<冒険者>や<大地人>はその域内での補給などが完全に受けられないということだ。統治政策と他所からの<冒険者>が来訪して何も知らずに買い物をしようとしたら炙り出される上にその制度を避けようとしても不審な動きを咎められすぐに警邏の目に留まる為、間諜への対策をも同時に兼ねる優れた施策と言えるだろう。

その上、街には奥伝レベルの気配探知をもつ警邏が幾人も見回っており<ハイディングエントリー>などのハイド系特技で偵察しようとしても半端な練度の暗殺者ではすぐに捕えられてしまう。

この滞在した数日の間にもアキバやナカスから放たれた暗殺者たちが捕まったのをこの目で確認した。今、この町に潜入し偵察を安定して行えるのは秘伝レベルの隠蔽系スキルをもち、サブ職もそれに特化した暗殺者ぐらいだろう。

 私は〈エルダー・テイル〉時代ロールプレイの為に隠蔽に特化したビルドを組んでいたためなんとか偵察を遂行できているがこのままではふとしたことからそのうち捕まってもおかしくはない。

 ミナミの街は表面上は平和に見えた。

 ただ、その実態は相互監視の江戸時代の五人組じみた制度をもつ監視社会であり、人々の笑顔にもどこかしら緊張感が窺える。

ミナミの〈冒険者〉は〈Plant hwyaden〉《プラント・フロウデン》引いては〈十席会議〉大神殿やギルド会館などの〈冒険者〉の生命線となる機能を握られており従者として与えられた〈大地人〉の監視から抜け出すことのかなわない底なし沼じみた拘束を受けており、雁字搦めにされている。

そのことを気にしない能天気な〈冒険者〉が大半のようだがそれでも数割ほどはどこかしら納得がいっていないようで溜息が多く表情が翳っているようだ。

まだ、〈Plant hwyaden〉《プラント・フロウデン》が統治し始めてから月日が経っていないということも関係しているのだろう。これ以後は徐々に反乱分子の炙り出しも進むであろうしもう数か月も経てば支配体制は〈Plant hwyaden〉《プラント・フロウデン》への反感の面でもミナミの街ではほぼ盤石になると見てよさそうだ。

さて、この数日でミナミの市井の内情は殆どわかったことだし一旦アキバへ〈念話〉で報告を終えたら、そろそろ警戒網の厚い地域へ足を伸ばしてもいいかもしれない。

その為にも一旦ミナミから撤退して根城にしている場所へと戻るとしよう。


ミナミ南東1キロ程の森林型フィールドダンジョンの樹上に作った拠点へと戻った私は今回の依頼元である〈D.D.D〉へと報告をしていた。

「はい、はい…。ええ、そんな感じだった。

 では、明日おそらくミナミにとって重要度の高いと思われる施設へと潜入するわ。

危ないと見たら即時撤退に移るけどいいわよね。

ええ、わかったわ。

それじゃあ、また」

 〈念話〉を終え、一服する。


報告先はいつもながら厳格な印象を受ける女性だ。

 この仕事を受けてから紹介を受けたのだがあの軍人のような印象をうける立ち振る舞いで元は保育士というから驚きだ。


保育士というと保育園に預けていた娘を思い出す。娘はどうしているだろうか。突然私が居なくなって泣いてはいないだろうか。娘のことを思うと胸が締め付けられたようで居ても立っても居られなくなってしまう。早く現実に戻らなければと思い、〈大災害〉解決の助けになるようにと円卓会議に協力しているが未だその手がかりは掴めていないようだ。


「はぁ、元気にしているのかな、あの娘は」


 私が居なくてもきっと夫が面倒を見てくれているだろう。あの人はしっかりしているからきっと大丈夫だ。そうは思っても不安は拭えない。きっと現実に戻ってこの目で娘を見てこの腕で抱くまでは晴れることはないだろう。一刻も早く現実に帰らなくてはならない。

私が潜入任務を引き受ければその分人員を他所へと回し〈大災害〉解決へと裂ける人員が多くなるだろう。私はお世辞にも頭がキレるほうとは言えない、一人で好き勝手に道筋を探るよりも円卓の歯車となって動いた方が人員を他のことに裂けるようになりきっと帰り道を探るのに貢献できるはずだ。

そう頭を整理し自分の行動は正しく現実への帰還へとつながっていると自身を納得させ、任務へのモチベーションを高め私は明日へと備えた。







翌朝、私はミナミ〈Plant hwyaden〉《プラント・フロウデン》の技術研究をしている地区へと潜入していた。警備はより厚くなってはいるがどうやら未だゾーン購入をしてギルド専用設定にするまではいっていないようだ。透明になる〈ハイディングエントリー〉に〈怪盗〉のスキルを併用し動作音までを消して聞き耳を立てる。

どうやら〈鍛冶屋〉たちが蒸気機関を使用した自走式車両を設計しているらしい。そこまではアキバ円卓会議の想定内の話だ。そこから話された〈鍛冶屋〉たちの世間話が重要だった。何やら新式動力源を十席会議が開発しようとしているらしい。それが開発されればより開発の幅が広がり戦力的にも実践投入可能な兵器類や魔道具が作れるかもしれない、更に、これは〈冒険者〉間で噂程度に話されているだけのようだがどうやらその新技術によって〈都市間転移門〉の再起動が可能となるかもしれないとのことだった。



 円卓に報告する必要があると判断し、その詳細のメモを取り終えると大鎧を着こんだ男が騒々しい音を立てながら千鳥足で歩いてくるのに気づいた。どうやら酒を飲んでいるらしい。まだ、〈ハイディングエントリー〉の効果時間は十分に残っている、大丈夫だ。そう判断しやりすごそうと廊下の死角で身をかがめたその時だった。


男は足をもつらせこちらに向かって倒れこんだ。透明になってはいても接触すれば誰かが居るのは気づかれる。そう判断した私はそいつを突き飛ばして走り出す。

攻撃を加えたことで透明化が解けるが致し方ない。


「何や、いったいなあ。そら倒れかかったのは悪かったけど突き飛ばすのはひどいんちゃいますか?」


 そう言って起き上がり倒れた場所を見ると誰かと接触したのにそこには誰もおらず何者かが走り去ったことに気が付いたらしい。

数瞬疑問符を浮かべたような顔をして呆けていた男だがハッとした顔をして叫んだ。


「侵入者や!」


 その叫びに辺り一帯が騒然とする。

各研究室から〈冒険者〉が飛び出し、巡回していた警邏の人間が集まってきた。

 出入口となる玄関は即座に門番によって封鎖されるだろう。

すぐに人が集まってくるだろうし、門番は〈守護戦士〉だ〈ヘヴィアンカー・スタンス〉で足止めでもされれば突破は厳しい。


そう考えた私は閉鎖式の窓を叩き割って外へと飛び出す。


「あそこだ、追え!」


 私に気づいた人間が声が張り上げ位置を示す。

逃走しつつスキルを選択し怪盗の特技でプレイヤーネーム、レベルを隠蔽し身体を狐尾族の特技で別人へと誤魔化す。

〈ハイディングエントリー〉も使用しておきたかったが再使用してからすぐに効果が切れてしまったため、リキャストタイムが残っている。

 万が一があってもいいように走りながら〈念話〉を高山さんへと発信し、繋がったことを確認すると一方的にまくしたてる。



「もしもし、聞こえますか?

 すみません、しくじりました高山さん!

 一旦、例の方法でミナミから撤退します!

報告はまた戻った際に!



 次々と〈冒険者〉たちが集まってくるがそこは身軽な暗殺者だ。立ち並ぶビルを蹴り上がり三次元軌道で追っ手をかく乱する。

目指すはミナミ以東の妖精の輪。

そこまで逃げ切ればわたしの勝ちだ。


繁華街直上のビルを飛びぬけた時、野次馬たちが大捕り物に歓声をあげているのが見えた。

機動性のない守護戦士や武士を振り切りひたすら走り続ける。

後ろからは〈暗殺者〉や〈召喚術士〉の飛行型従者、〈盗剣士〉、〈武闘家〉が追ってくる。〈神祇官〉〈付与術士〉の速度上昇バフをもらっているらしく段々と彼我の距離が縮まっていく。

このままでは捕まる。そう思い〈ハイディングエントリー〉を再発動する機会を窺うがそんな余裕はとてもではないができそうになかった。

気を抜けば〈シャドウバインド〉などの拘束系特技で止められてしまうだろう。



 逃げ切れないか!?

捕まったらどうなる。

その先を思い浮かべてぞっとする。


ミナミの〈大神殿〉ゾーンは〈Plant hwyaden〉《プラント・フロウデン》に握られている。その為、ここで捕えられたり殺されたりすればとてもではないが逃げ出すことはできないだろう。


 ここ数日、ミナミで〈冒険者〉たちを観察してきただけに捕まった場合の末路が容易にイメージされた。


〈Plant hwyaden〉《プラント・フロウデン》は捕まえた〈冒険者〉に強制的にギルド変更を強いている。普通であれば従わなければいいだけの話だがあちらには大神殿ゾーンへの侵入禁止設定を行う権限があり、従わなければ殺して復活不可の状態にすることで実質的にこの世界から追放することができる。それはこの世界において唯一実行可能な実質的殺人だ、そのことを背景に脅されれば〈冒険者〉である私は膝を屈するしかなくなるのだ。

そして〈Plant hwyaden〉《プラント・フロウデン》は傘下となった私に〈大地人〉の従者をあてがうだろう。ミナミの従者は従者であると同時に〈冒険者〉の監視役でもある。〈冒険者〉が妙な行動をとればその情報は即座に〈Plant hwyaden〉《プラント・フロウデン》の上層部へと伝わるようになっている。そして〈冒険者〉がいざ離反すればその〈大地人〉は故郷の家族共々ウェストランデにおいて不利益な取り扱いを受けることになるのだ。


 それは〈冒険者〉からすれば自分が離反することで多くの〈大地人〉が犠牲になるということで現代日本人である私たち〈冒険者〉にそれだけのことを行う覚悟などない。

つまり、泥沼にはまったように身動きが取れなくなってしまうということだ。


そんなことになってしまわないように何とかして逃げなければ……。


余裕がないなら作るしかない。

〈シェイクオフ〉を発動し煙幕を炊き敵の視線を切る。そのまま〈ハイディングエントリー〉から〈クリープシェイド〉へと繋ぎ追っ手の目を欺き、距離を稼ぐ。

 よし、うまくいった!



そのまま足を止めずに走り結構な距離を稼いだがそれでも追っ手の一人が秘伝レベルの気配探知スキルでも持っていたのか居場所を看破して迫ってくる。

そのままミナミの街壁を飛び越え外へと飛び出す。

ここまで来ればもう後は少しだ。

そう思いつつ走っていると前方に2パーティーほどの〈冒険者〉の集団が見える。


――挟み撃ちだ。

ここまでかな……。

そう諦めかけたその時だ。



「走り抜けろ!

 ここは俺たちが時間を稼ぐ!」



そう前方の集団のリーダーらしき人物が私に叫んだ。

……敵じゃない?

 考えている暇も進路を変更する時間もない。

その言葉を信じて走り抜ける。


「行けぇ!」


 どうやら本当に味方だったらしく追っ手は彼らのタウントに縫い付けられて速度が鈍った。

これならいける。

そのまま走りつづけて私は〈妖精の輪〉へと飛び込んだ。





 〈妖精の輪〉に飛び込んだその先で私はそのまま仰向けに倒れこみ息を整える。


「はぁ、はぁ」


 危なかった……。

ミナミの〈大神殿〉ゾーンは〈Plant hwyaden〉《プラント・フロウデン》に握られている為、あそこで捕えられたり殺されたりしていれば逃げ出すことはできなかっただろう。そのことを考えると身が震えた。


 森林のきれいな空気を肺に入れ、息を整えると身体ごと浄化されていくようで心が落ち着いた。ミナミではまだ昼前であったのに空には月が昇っている。

 どれほどの高さかわからないほどの巨大な樹の葉の間から月明かりが差し込み辺りを薄明るく照らしている。一面には蒼銀色に輝く花が咲き誇っていて幻想的な雰囲気を醸し出していた。



ここは妖精女王の隠れ里、〈エルダー・テイル〉ではいわゆる隠れ里ゾーンと称される特殊ゾーンで侵入するのにはキーアイテムが必要となる。

この妖精女王の隠れ里の場合は〈妖精女王の通行鍵〉というアイテムを所持したまま〈妖精の輪〉を使用することで転移することができる仕様となっていた。そして隠れ里から出る際は使用した〈妖精の輪〉へと出ることができる為一時的な避難所として活用することができる。

私は〈大災害〉後も同様の方法で使用することができることを確認し、この里へと至るクエストは北欧サーバーの地方小規模ランダムクエストで、報酬もこの鍵一つの人気のないクエストでありヤマトサーバーでは知っている者が少なくばれにくい為、追っ手を撒くのに愛用している。

月が昇っているのはここが座標的には北欧サーバー最西部のロンデニウムにほど近い森に位置しており9時間ほどの時差が存在するからだ。



「また来ておったのか、ネコメよ。

 歓迎するぞ」



落ち着いた女性の声に大樹を見上げると身長150センチほどの蝶のような羽を生やし、きらきらとした鱗粉をとばし豪奢なドレスを着た女性がお供を引き連れて降りてくる。

彼女は〈妖精女王タイターニア〉このゾーンの主でありゲーム時代はクエストNPC兼〈妖精王の痴話喧嘩〉のボスモンスターだった。〈大災害〉後は〈冒険者〉と対話可能な精霊種となって訪れた人間を歓迎してくれる。


「ええ、またまた場所を貸してもらってるわ。

 いつもありがとうね」

「いや、別に礼を言われるほどのことはしておらん。

 いつだったか、ネコメには夫との喧嘩を仲裁してもらった借りがあるからの。

たいしたもてなしもできぬがゆっくりしていけばよい。

 礼というなら、そうじゃの。

滞在中暇なら私の元に来て話でもしてくれればよい」

「お言葉に甘えてしばらくはゆっくりさせてもらうわ。

 ありがとうタイターニア」

「部屋はいつもの場所が今日も空いておるから、あそこでも使えばよい。

 ではまたの」


 そう言い残して妖精女王は踵を返した。

続々と集まってまとわりつく妖精たちを適当に追い払ったり構ったりしてやりながら、私はあてがわれた部屋へと向かう。

まだミナミ周辺では警戒状態が張り巡らされているだろうししばらくはこちらでほとぼりを覚ますしかないのだ。


巨大な樹の根本にたどり着きそこに備え付けられた玄関扉を押し開けた。木をくりぬいてつくられたタイターニアの宮殿は宮殿と言われて想像するような厳かな空間ではなく妖精らしいどことなくメルヘンチックな女性に人気な某世界的エンターテイメント会社で描かれるリスたちが暮らしていそうな雰囲気の空間だ。

バグスライトで光源が採られている螺旋階段をひたすら昇り目的の部屋へとたどりついた。


扉を開けて荷物を置き大の字になってベッドへと倒れこむ。


「あー、疲れた」


そのままベッドへと転がり、今日得た情報を考える。

まず、一体どうやってミナミは都市間転移門の機能を復活させるのだろうか。私には見当もつかないが、それはきっとミナミの人間はそれだけこの世界のシステムを私よりも理解し〈大災害〉の真相へと近づいているということなのだろう。

しかし、再起動が実行されれば現在は長い移動距離が存在することが防波堤のように働き容易に手駒を直接送り込むことができない、今よりも直接ミナミの人間が忍び込むことができるようになりもっとアキバの情報は漏れやすくなるだろう。なるべく早く私がヤマトサーバーへと帰り、円卓の長たちに伝えなければならない。以後アキバでの行動は筒抜けになるのかもしれないと。


 なるべく早くヤマトへと帰りアキバへ戻らなくてはならない。

 だが、同時にミナミが警戒を解き安全に帰還できるよう安全マージンもとらなくてはならない。

 いったいどれくらいの期間ほとぼりを覚ましたらミナミの警戒は解けるだろうか。


 きっとミナミの〈冒険者〉、〈大地人〉たちは私が〈妖精の輪〉へと飛び込む瞬間を見ていないからいまだ私がウェストランデ圏内を抜けていないと考えて探しているだろう。

 ならば最低でもミナミが私がウェストランデ領内を抜けただろうと判断するまでその期間は潜伏していなければならない。

 それはいったいどれくらいの期間か。


 皆目見当がつかずに私は考えることを諦めぼーっと天井を見上げる。


窓からは月の光が差し込んでいた。

 その光を何とはなしに眺めていると、まだ朝起きてから数時間ほどしか経っていないが周りが暗いからか、このベッドが柔らかいからか、それとも大逃亡劇を演じて疲れたからだろうか眠くなってしまった。

まあどうせすぐに明るくなるだろうし昼寝と思えばいいだろう。


目を閉じるとすぐに意識が遠のいていく。



 まあ、なんとかなるか。

前作の全面改稿が難航しているのでとりあえず妄想したのを書いてみました。

女性視点一人称を初めて書く練習なのでおかしなところは多々あると思いますがご容赦願います

来週、男性視点一人称の練習に別の話を上げる予定です

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