初めての戦闘
とりあえず龍は木刀2本を構える。しかし龍の構え方は普通の皆がイメージしているような構え方とは違っていた。まず右手に持つ木刀であるが、此方は普通に持っている。しかしながら左手に持つ木刀は、何故か逆手持ちである。これは、幼少のころのおじいちゃんとの訓練の際におじいちゃんが龍に徹底的に覚えさせた戦闘スタイルでおじいちゃん曰く攻守攻防のバランスが良いらしい。
構えたのを戦闘開始の合図ととったのか、ウサギが俗にいう体当たりを仕掛けてくる。しかし龍は左手の木刀で武器防御のスキルを発動させ、淡い水色の光を纏った木刀でウサギの体当たりを防ぐ。そしてこの時非常にタイミングよくスキルが発動したのか、普通の武器防御のスキルであれば本来は少しはダメージを受ける。しかしながら、この時龍はダメージを一切受けていない。しかも逆にウサギの方がダメージを受けている。これに関しては、武器防御系統のスキル特有の現象、ジャストガードが発動したからである。
ジャストガード。ありとあらゆる防御系のスキルにおいて約0.2秒しか存在しない時間中に防御系スキルを発動させることによって起きる現象である。ジャストガードが発動するとまず、あらゆる攻撃であってもダメージを0に相殺します。そして追加として逆に相手に自らのSTRに応じたダメージを与える事が出来る現象である。
ジャストガードの発動により体当たりしてきたウサギのHPは2割ほど減少していた。そして体当たりを防がれたウサギはと言うと後ろに飛びのいていた。そんな隙を龍が見逃すはずもなく龍はアクロバットのスキルを使いウサギに肉薄する。そして右手に持つ木刀でウサギの右目をピンポイントに突く。その攻撃を受けたウサギはHPを4割ほど減らしてのたうちまわっていた。そこへ非情にも龍の左手の木刀による切り上げを受けウサギの体が少し宙に浮く。そしてとどめと言わないばかりに龍は右手の木刀で剣の武技を発動させる。
武技とは剣術や槍術と言ったスキルのレベルを上げると習得できる技のようなもので、特殊な効果が存在している。ちなみに剣術Lv1の武技は『燕返し』で、空中に浮いている敵に対して通常の1.5倍のダメージを与えた後に1秒間の目まいを与える効果がある。
そして宙に浮いたウサギに右手の木刀を横薙ぎにあてる。これを喰らったウサギは頭上に黄色のアイコンを浮かべながら光るポリゴンになって爆散した。
戦闘を終えた龍の頭の中に『ポーン』と言う音が鳴り響いた。そして目の前には半透明のパネルが現れる。
――――――――――
(´・ω・`)さんのレベルが1から3に上がりました。
――――――――――
以下のドロップアイテム、及びお金を獲得しました。
・ウサギの皮
・ウサギの肉
・20P
――――――――――
剣術のLvが1上がりました。
――――――――――
アクロバットのLvが1上がりました。
――――――――――
武器防御のLvが2上がりました。
――――――――――
(なんか色々出て来たな・・・とりあえずステータスを確認するか)
心の中でそう呟いた龍は自らのステータスを確認する。
名前:(´・ω・`)
種族:ヴァンパイア
レベル:3
HP:55
MP:50
STR:57
INT:49
DEX:60
AGI:53
スキル>
・剣術Lv2 ・アクロバットLv2 ・武器防御Lv3 ・詠唱短縮Lv1 ・蹴技Lv1
・魔力探知Lv1 ・気配遮断Lv1 ・錬金術Lv1 ・闇魔法Lv1 ・幸運LvMAX
確定スキル>
・眷族Lv1
ステータスの上がり具合を見て頂けると分かるようにレベルアップ時にはレベルアップ以前のステータスの5%の数値が通常は上昇する。そこに種族ごとの成長補正が加わるというわけだ。ヴァンパイアは補正があるので全てのステータスが10%まんべんなく上昇したわけである。
ちなみに補正に関しては以下の感じになっている。
・非常に良い:15%
・良い:10%
・普通:5%
・あまり成長しない:3%
・ほとんど成長しない:1%
レベルが上がった龍は夕ご飯の17時近くまでの間北の草原でレベル上げを行っていた。結果、龍のレベルは初日にして6まで上がっていた。夕食が迫った龍は一旦宿屋へと向かいお金を払って部屋へと入りログアウトを行って現実世界へと戻った。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
以下ステータス>
名前:(´・ω・`)
種族:ヴァンパイア
レベル:6
HP:72
MP:66
STR:74
INT:63
DEX:79
AGI:69
スキル>
・剣術Lv4 ・アクロバットLv3 ・武器防御Lv5 ・詠唱短縮Lv3 ・蹴技Lv2
・魔力探知Lv3 ・気配遮断Lv2 ・錬金術Lv1 ・闇魔法Lv3 ・幸運LvMAX
確定スキル>
・眷族Lv1