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武器を作って貰おう

遅くなって申し訳ないですorz


 街の中を散策しているとふと龍の目に武器屋が入った。先程美月に指摘されたが龍の持っている武器の1つはゴブリンエリートの剣と言う初期討伐における記念アイテムである。


 討伐における報酬及び記念アイテムはほとんどが完全にランダムである。最速討伐はスキル珠で固定であるが、他の初期討伐記念、ソロ討伐記念、ドロップアイテムは様々な物が用意されている。地上絵からいけるボス部屋には何度も挑戦することが可能であるため、必要なドロップ品及び記念アイテムが出るまで何度も粘るプレイヤーもなかいはいる。現に南の地のボス、ホワイトウルフの防具を作ろうと躍起になっているプレイヤーたちはパーティーを組んで幾度となく挑戦している。


 少し話が逸れてしまったが、龍の持つ武器の1つは全く問題が無いと言える。しかしながら問題はもう1つの武器、つまりは初日に購入した木刀である。木刀は剣術スキルを持つプレイヤーに一番最初に支給される武器で、手入れの必要が無く軽い代わりに破壊力は1しかない。比較対象としては同じく街で売っている武器の鉄の剣、龍が手に入れたエリートゴブリンの剣を対象にしてみよう。まず鉄の剣であるが、これは耐久度が設定されており、この耐久度が減るにつれて段々と切れ味や破壊力が落ちていく。この耐久度自体は街に売っている『砥石』のアイテムや最近解放された坑道にて採掘される『砥石石』を使う事によって回復することが出来る。分かりにくければ某狩人ゲーを思い浮かべてもらえれば問題ない。そして鉄の剣の破壊力であるが、これは木刀の5倍の5である。この数字だけを考えれば鉄の剣は非常に強く感じるであろうが、武器には全て重さと言う物が存在している。木刀の重さは前述した通り1であり、鉄の剣は木刀のおおよそ10倍の10である。つまり鉄の剣は木刀約10本分の重さと考えてもらえると良い。


 ちなみに重さに関してだが、重さの値はキャラクターのSTRの数値に関係してくる。武器を片手持ちするのであればSTRの半分の値、両手持ちであればSTRの値の分までの重さの武器しかRROでは持つことが出来ないのである。極端な例えで言えば、現実世界においてウェイトリフティングの選手がこのRROの世界でSTRにあまりステータスを振らないで重い武器のハンマーや斧を装備しようとしても持つ事が出来ず、装備できないと言う事が起きたり、逆に現実世界で引きこもりの女の子であってもSTRにしっかりとステータスを振っていればハンマーや斧でも問題なく装備できるというわけである。


 次にエリートゴブリンの剣である。この武器にも耐久度が存在しており、値的には鉄の剣と同程度である。しかしながら破壊力は13もあり、現段階では最強の破壊力を誇る武器と言える。参考程度に鉄の斧や鉄のハンマーでさえ精々10程度である。そして重さであるがどんな素材を使えばこうなるのか一切不明と言わんばかりの7である。つまり、エリートゴブリンの剣は鉄の剣以上の破壊力を誇りながら鉄の剣よりも軽いと言うわけである。


 さてそんな武器事情を抱えた龍であるが、木刀の方を別の武器へと変える事を考えていた。そして龍はフレンドの1人で生産職のミラにコールをすることにした。


『しょぼんさん、お久しぶりです』


「はい、久しぶりですね。ミラさん、武器の作成って受け付けてますか?」


『はい!大丈夫ですよ!』


「良ければ自分の武器を作ってほしいんですが、良いですか?」


『もちろんです!以前助けてもらったのでしっかりとサービスさせて貰いますよ。今工房の辺りにいるので足を運んでもらっても良いですか?良ければ現地で相談しましょう』


「了解」


 そう言って龍はコールを切って工房の方向へと足を運んだ。


―――…――…―――


「しょぼんさーん、こっちですー」


 龍が工房の辺りをうろついているとミラの声がした。その方向を見るとミラの他にもミルやミレがいた。


「ミラさん、ミレさん、ミルさんお久しぶりです。今日はよろしくお願いします」


「「「お久しぶりです」」」


「ところで武器を作って欲しいとの事ですが、どんな武器が良いんですか?」


 龍にミラは質問をしてくる。


「剣ですね。形は任せます。素材は此方が提供します」


 そう言って龍はメニュー画面を操作して可視化設定をした後に今回の剣の素材にと考えていたライトメタルと鉄鉱石をミラに見せる。


「えーっと……素材そのものをまだ見た事が無いんですが……どういう事なんでしょうか?」


 ミラは生産職ではあるが、未だ坑道は解放されて時間が経っていないため手付かずの状態になっている。それなのに龍が鉄鉱石やライトメタルと言う鉱石を持ってくれば誰であっても混乱する。


「えっとだなー、東の地のライトメタルゴーレムと言う奴を倒した際のドロップ品だ」


「……もしかして御一人で倒しました?」


「うむ、少し時間は掛かったがな」


 そう言って龍はライトメタルゴーレムとの戦いをミラ、ミル、ミレの3人にする。


「……非常識です」


「……あんまりです」


「流石しょぼん様ですわ……」


(あれ?なんか1人キャラが崩壊しているような……)


「とりあえずこの素材で剣を作ってもらえますか?」


「うーん、少し試行錯誤するから明日まででも良いですか?」


「構いませんよ。それでは明日受け取りに行きますね。ついでに自分も工房に用事があるのでまた明日お会いしましょう」


「「はい!」」


「あぁ、しょぼん様……あなたはなんでしょぼん様なんでしょうか」


 未だに1人別世界の住人がいるが龍は気にせずに工房の中へと入って行った。

最後まで読んで頂きありがとうございます!


次回に関してですが、自分がもう1つ連載しているスキルアブソープションの127話のあとがきに詳しく書いていますが、最近リアルがばたついている状況です。そのためしばらく更新をお休みしようと思っています。具体的にはRROの方は8月2日頃に再開する予定です。皆様にはご迷惑をお掛けして申し訳ないです。




以下設定集>


木刀:初期武器。軽くてメンテナンスもいらないため初心者にもってこいの武器。


名前:木刀 破壊力:1 重さ:1 耐久度:∞


鉄の剣:最初の街で売っているありふれた鉄製の剣。


名前:鉄の剣 破壊力:5 重さ:10 耐久度:1000


エリートゴブリンの剣:エリートゴブリンが使っていた謎の材質の剣。


名前:エリートゴブリンの剣 破壊力:13 重さ:7 耐久度:1894/2500


砥石石:砥石の原料となる石。これ自体を用いる事により耐久度の回復は可能ではあるが、砥石ほど回復しない。ちなみに「といしいし」と読み、坑道にて入手が可能。

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