エリートゴブリン
少し遅くなりました。申し訳ないです。
『ゴブリィイイイイインンン』
エリートゴブリンは威圧交じりの叫び声をあげる。龍はと言うと木刀を2本いつものように構える。龍が構える事をした時に此方を敵と認識したのか、周りにいたゴブリンが此方に向けて駆けてくる。龍はまず牽制に最初から使える闇魔法、ダークボールを2発ゴブリンに向けて放つ。そして隊列が乱れたゴブリン達の中に飛び込み、ゴブリン達の急所(ゴブリンの急所は目、頭、首等)に的確に木刀の突きを打ち込む。ゴブリン達の平均レベルは約8、初期武器とは言え急所に的確に攻撃されれば例えフィールドボスモンスターの側近と言えども大ダメージを受ける。現にゴブリン達は約4割ほどダメージを受けて、尚且つ急所に当たった故にのた打ち回っている。そんなゴブリン達にとどめを刺していることに夢中になっていると、龍は突如嫌な感じがして地面に伏せた。すると先程まで自らの胴体があった場所に剣が横薙ぎに振られていた。そう、エリートゴブリンが剣を振ったのであった。今まで龍とゴブリンの戦いを静観していたはずのエリートゴブリンが戦いに参戦してきた。フィールドボスという事もあり、エリートゴブリンのHPバーは2本存在した。
(今から持久戦だが、頑張るか)
龍は心の中でそう思いながら持久戦を始めた。
木刀による1撃でエリートゴブリンのHPは大よそ0.25割程削られている。つまり、80回ほど斬撃を加える事が出来れば、エリートゴブリンのHPを削りきることが出来る。龍はそんな事を考えながら2本の木刀を巧みに操り防御主体でエリートゴブリンに持久戦を挑んだ。
エリートゴブリンが攻撃をしてくると、それを武器防御で2本の木刀をクロスさせて、此方が受けるダメージを最小限に抑えて攻撃を防ぐ。何度も何度もエリートゴブリンの攻撃を防いでいる龍であるが、5回に4回ほどはジャストガードが発動しているため、エリートゴブリンの1本目のHPゲージがおおよそ5割ほど削られた段階であっても龍のHPは2割ほどしか減っていなかった。
(ようやく1/4が削れたか・・・頑張るか)
龍がエリートゴブリンの戦闘の開始からここまで約30分ほど経過してた。今までの龍のプレイスタイルから考えると確実に長期戦にこの戦いは部類されている。そして龍はエリートゴブリンの攻撃を防ぎながら、これが終わったら武器を変えようと心の中で誓った。
エリートゴブリンとの戦いを初めておおよそ1時間程度が経過した頃、エリートゴブリンのHPゲージが1本なくなって、最後のHPゲージになった。すると突如エリートゴブリンが咆哮を上げた。
『ゴブリィイイイイイイインンンン!』
するとエリートゴブリンの体が赤いオーラに包まれる。そして今まで同様に剣を振って来た。しかしながら様々な面で違っていた。まず剣を振る速度であるが、体感的にやや早くなっていた。そして剣の威力もガードをして喰らうダメージの量が2倍になったことから、威力が倍になっている、つまりは攻撃力が2倍になっていると言える。そして此方側の攻撃で今までは0.25割程度しか喰らわなかったのだが、今現在では0.5割ほど喰らっている。つまり、あの咆哮によりエリートゴブリンの攻撃力が倍になり、尚且つ素早さも上昇して、防御力が半分になったと考えられる。
龍自身は鑑定スキルを持っていないためわかっていないが、今回エリートゴブリンは以下のスキルを発動していた。
覚悟の境地:HPが半分以下になった際に発動できるスキル。STRを2倍にして、AGIを1.5倍にする。その代わり受けるダメージが倍になる。
覚悟の境地により、エリートゴブリンは今まで完全に龍に圧倒される形であったが、状況が変わった。今現在、エリートゴブリンは蹂躙されている状況に何故かなっていた。何故AGIが1.5倍になり、尚且つSTRも2倍になっているのに蹂躙されているのか、それはダメージが2倍になったことにより、龍がダメージ覚悟で攻撃主体な体制に持ち込んだ。そしてエリートゴブリンの急所である目、首、頭を集中的に攻撃していた。しばらくすると、エリートゴブリンの片目は完全につぶれてしまい、首と頭には大きな1つの痣があり、HPゲージも半分を切っていた。同じ場所を何度も何度も突かれているこの状況でエリートゴブリンは遂にふらついてしまった。それを好機と考えた龍は一気にたたみかけるようにさらに木刀を早く動かした。結果、開始から約1時間半でエリートゴブリンは光るポリゴンへとなった。
―ポーン。頭の中にあの音が響く。そして目の前に半透明のプレートが現れた。
―――――――――
(´・ω・`)さんのレベルが11から14に上がりました。
―――――――――
以下のドロップアイテム及び部位破壊報酬及び記念アイテムをゲットしました。
・エリートゴブリンの皮×5
・エリートゴブリンの耳
・エリートゴブリンの骨
・ゴブリンの皮×3
・ゴブリンの耳×2
・ゴブリン種の体液×4
・骨(中)×3
部位破壊報酬
・エリートゴブリンの眼球
最速討伐記念
・スキル珠
初期討伐記念
・エリートゴブリンの剣
ソロ討伐記念
・スキル珠
―――――――――
剣術のLvが2上がりました。
剣術のLvが10になったため、新たな武技『浮世世界』を使えるようになりました。
―――――――――
アクロバットのLvが1上がりました。
―――――――――
武器防御のLvが3上がりました。
―――――――――
詠唱短縮のLvが1上がりました。
―――――――――
魔力探知のLvが1上がりました。
魔力探知のLvが10になったため、探知できる範囲が1mから2mになりました。
―――――――――
闇魔法のLvが1上がりました。
―――――――――
称号:無鉄砲を獲得しました。
―――――――――
(うお、なんか色々出て来た!?)
エリートゴブリンを倒した龍はレベルやスキルレベル等々様々な物が上昇した。それもそのはず。龍のレベルは11、エリートゴブリンの討伐推奨レベルは13である。しかもこの討伐推奨レベルはパーティー基準のため、ソロの龍はと言うと完全に無理難題をこなしたことになる。
そしてそれと同時間、フィールドや街にてアナウンスが流れた。
〈北の森のフィールドボス、エリートゴブリンが討伐されました。〉
最後まで読んで頂きありがとうございます!
次回の投稿予定は5日です。
以下ステータス>
名前:(´・ω・`)
種族:ヴァンパイア
レベル:14
HP:143
MP:133
STR:146
INT:128
DEX:153
AGI:138
スキル>
・剣術Lv10 ・アクロバットLv7 ・武器防御Lv11 ・詠唱短縮Lv7 ・蹴技Lv7
・魔力探知Lv10 ・気配遮断Lv5 ・錬金術Lv3 ・闇魔法Lv7 ・幸運LvMAX
確定スキル>
・眷族Lv1
称号>
・無鉄砲
以下解説>
浮世世界:剣術Lv10になると使える武技。攻撃を与えた相手をしばらくの間(約1秒程度)、空中に浮かせることが出来る。
無鉄砲:すんごく格上との戦闘を行い、勝つ事により手に入れる事の出来る称号。今後は適正レベルを考えて計画的にゲームを楽しみましょう。




