とあるおじいちゃんの願い
初めましての人は初めまして!そうじゃない人はお久しぶりです?
前から書いてみたかったVRMMORPG物です。勢いで書きました。後悔?ナニソレオイシイノ?
とまぁ長い前書きはこの辺にして・・・基本的に息抜き小説なので更新速度は亀です。それでも楽しんでもらえると有難いです。
20×□年〇月△日のどこかのとある田舎に1人の幼い4歳の男の子とそのおじいちゃんの2人が暮らしていました。幼い男の子の両親はある時に事故で帰らぬ人となっており、そんな幼い子を引き取って育てていたのがおじいちゃんであった。しかしおじいちゃんは少し変わったおじいちゃんであった。そのおじいちゃんは極度のVRMMORPGマニアで、数多のVRMMORPGをプレイしてきた。そしてそのおじいちゃんは男の子にこう言いました。
「――や、わしはそう長くない。わしのただ一つの願いをかなえてくれんかの?」
「うん!僕、おじいちゃんのこと大好きだから絶対叶えてあげるよ」
「そうかそうか、やはり――は良い子じゃの。願いとはな、――が高校生になる頃にサービスが開始されると噂されている究極のVRMMORPGのRepulse Realization Online、通称RROをわしの代わりにやって欲しいのじゃ」
「ばーちゃるえむえむおーあーるぴーじー?りぱるすりあらいぜーしょんおんらいん?あーるあーるおー?僕、よくわかんないけどとりあえずあーるあーるおーって名前のゲームをすればいいの?」
「ははは、まだ小さい――には難しかったかの?しかしちゃんとわかっておる辺り――は頭がええのー。そうじゃ、RROを――がプレイしてくれれば良いんじゃ。約束じゃぞ?」
「うん!おじいちゃん、僕約束守するね!」
「そうとなれば訓練じゃ、いつものようにするぞ?」
「うん!わかった!」
そう言っておじいちゃんと男の子は家の中へと入って行って仮想世界、つまりVRMMORPGの世界へと旅立った。
~~~~~13年後~~~~~
「懐かしいな・・・」
一枚の紙を持ちながら呟く1人の男がいた。この男こそ13年前おじいちゃんと一緒にいた男の子、名前を剣ヶ崎 龍と言う。身長は182センチと少し高めで、それ以外はどこにでもいそうな特にかっこいいわけでもなく不細工でもない普通な高校2年生である。
「おにぃちゃーん・・・あれ?それっておじいさんの手紙?」
龍をおにいちゃんと呼ぶのは神無月 美月と言う。長い黒髪に整った容姿、そして153センチと言う小さな体でありながら不相応な大きさの胸を持つ美少女である。何故苗字が違うのに龍の事を兄と呼ぶのか、それは龍のおじいちゃんが死んだ際に、龍の母親の実家が龍を養子として引き取ったからである。今現在は龍を含めて父親、母親、龍、美月の4人で暮らしている。
「あぁ、そうだよ。そしておじいちゃんの夢を俺が叶える時がようやくやって来た」
「おじいさんの夢?なにー?聞きたいな」
「一応美月が子供の頃に教えたんだけどなー・・・」
「うそ!?私おにいちゃんと話した事なら一言一句全て余すことなく覚えてるはずなんだけど・・・忘れてたなんて不覚だわ」
そう言って地面に『orz』となっている美月。そして先ほどの発言でわかったかと思われるが、美月は極度のブラコンである。美月曰く、龍が美月の家に養子として引き取った際に一目惚れしたらしい。龍からすれば美月の様な美少女が自分の事を好きになっている意味が分からないと言う状態である。
「まぁ、その、なんだ・・・もしかしたら俺の勘違いと言う可能性もありうるからそんなに落ち込まないでくれ。おじいちゃんの夢の内容ってのはもうすぐ開始されるRROを俺がプレイすることだ」
ちなみにRROではβテストと言う物が存在していた。しかしながら運営の意向なのか、βテスターと最初のプレイヤーに関しては全く差が無い。普通のゲームのβテストでは本サービスの開始において何かしらの特典がある。しかし、このRROには一切の特典が存在せず、尚且つβテストをしたからと言って本サービスの開始時にプレイが出来るとは限らないというある意味鬼畜仕様である。しかしながらそんなβテストにおいても、募集人数が500人であったにもかかわらず応募人数は100万人近くに達していた。ちなみにβテストは龍のおじいちゃんが死ぬ前にあって、運よくおじいちゃんと龍も当選したため2人はプレイしていた。
「へー・・・おじいさんがおにいちゃん以上にゲームが好きってのは知ってたけど、そんな変わった夢をおにいちゃんに託してたんだ・・・」
「まぁな。そして俺がRROを思う存分プレイするためにおじいちゃんは俺を鍛えてくれたんだ」
「だからおにいちゃんはVRのゲームがあんなに反則級に強いわけ?」
美月の言う通り龍はVRのゲームにおいてとんでもない強さを発揮していた。龍のおじいちゃんのせいで、龍は3歳の頃からVRの世界に慣れ親しんできた。そのせいか、龍はVRの世界において常人をはるかに上回るスペックを所持している。例えばで言うのであれば、第6感がないと説明できないような勘の鋭さ(本人は全てにおいて「なんとなくそんな気がした」とコメントしている)、尋常じゃない反応速度、そしてとんでもなく早い脳内処理速度。この3つのせいで龍はVRの世界においてこれまでとんでもない力を発揮してきた。しかしながら龍はどのVRMMORPGにおいても初期エリアを少ししかプレイしていない。これに関しては龍の己の中に勝手に設けたルールのようなものである。龍はおじいちゃんとの約束を忠実に果たすために、RRO以外のVRMMORPGのゲームでは訓練程度にしか動かずに、RROが始まると同時に今までのうっ憤を晴らすかのように全力でプレイする。そんな身勝手なルールを幼い頃から心内に秘めていた。そしてそれ故に龍がVRの世界で強いと知っているのは数が少ない。
「多分だけどね。そう言えばそろそろ届くはずなんだけどなー」
「そう言えばRRO買えたんだね?」
「ふっ・・・おじいちゃんとの約束を果たすために死ぬ気で頑張ったぜ」
そう言ってドヤ顔をする龍。そして龍はさらに続ける。
「ちなみに美月の分もあるぞ?」
「うそ!?それ本当なの!?」
「あぁ、どうせなら1人でするより2人でしたほうが良いだろ?」
「やったーーー!!私、自分の分買えなくて、おにいちゃんと一緒にRRO出来なくて悲しかったんだ・・・でもおにいちゃんは流石おにいちゃんだね!おにいちゃん大好き!」
そう言って龍に抱き着く美月。そして龍が聞こえないように小さな声で呟く。
「おにいちゃんとようやくまともにVRMMORPGが出来る・・・おにいちゃんと・・・グヘヘh」
「美月~、大丈夫かー?涎出てるぞー?」
「はぅ、おにいちゃんにまたみっともない姿を見られてしまった、これじゃ美月お嫁にいけない!と言うわけでおにいちゃん、美月の事貰って」
辺り一面にハートマークが浮かび上がるかのごとくうっとりとした顔で龍に言うが
「アホ」
その言葉と共にチョップを喰らわせる龍。そしてチョップを受けた美月は頬を膨らませている。その動作でさえたとえ妹とは言えども美少女の美月を可愛く思ってしまう。
(俺、美月の事可愛いと思ってしまうなんてシスコンなのかな?)
美月の顔を見てそんな風に思ってしまった龍であった。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
この小説は4日に1度のペースで投稿予定です。しかしながら今は書き溜めが幾分かはあるのでそれがなくなるまでは1日1話か2話程度投稿します。なくなり次第先述したように4日に1度の更新になります。