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☆開く鍵①☆
俺は、錠前屋に産まれた。
親父は錠前作りの名人と呼ばれ、町では名前が売れていた。
しかし、とある盗賊団が親父の作った錠前を破ったことがきっかけでその名は地に落ちた。
親父の落胆ぶりはものすごいものだった。
俺は子供心に盗賊を憎んだ。
そして、破られない鍵を作って親父の跡を継ぐことを考えていた。
しかし、親父は落胆からか体調を崩してあっけなく病に倒れ帰らぬ人になった。
俺が12の時だった。
その頃には店を維持できなくなっていた。
すべては盗賊のせいだ・・・・
いつの日かこの恨みを晴らす。
そのために錠前作りの腕を磨くことに決めた。
全国を旅しながらひたすら腕を磨いた・・・