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☆盗賊と義賊②☆
鎌鼬の仁平は、ワシが20になった時に一人働きをしている所で先代が腕を見込んで引っ張ってきた錠前破りの名手だった。人当たりが良く、途中から加わったにも関わらず古株からも一目置かれていった。錠前破りの他にも先代が教えた事の吸収が早く万能でこなせるようになっていった。
ワシも負けじと腕を磨いていった・・・。
ただ一つ仁平と折り合いがつかなかった事がある。
仁平はどんな状況でも殺しを嫌った。一人働きの時からそれで通していた。
ワシは、必要とあらば殺しはした・・・
仲間のため、先代のため・・・
姿を見られて、人相が出回れば足が付いてお縄になってしまう。
顔を見られれば、殺しをやった。
女、子供でも・・・
先代の方針もそうだった。
しかし、仁平に関しては先代も甘かった・・・
そこが許せなった。
それほどに仁平の錠前の腕は完ぺきだったし、ほかの働きも会で一、二を争った。
それは認める・・・
当時のワシは抑えることが出来ず、仁平が恩情に任せて殺しをやらなかった場合堪忍ならなかった。