欠点と私
タイトル真面目にしてみたよ!!
昼下がり、二海はナツの前に前に現れた。
「やっぱり、来ると思ってたよ」
「…行きたい所があるんだけど」
ナツはにっこり笑うと、鞄を肩にかけた。
「ねー、本当にこんなんでよかったの?」
帰り道を二人で寮まで歩きながら、ナツは二海に問う。
「うん、カラオケとかお買い物とか…一度してみたかったんだ」
満足気に頷いてるところを見ると、その言葉に嘘はないらしい。
「でも、なんで急に言い出したの?いつもは聞いても答えなかったのに…」
二海が歩くのを止めた、ナツも止まって振り返る。
「なんでだと思う?」
二海の表情はナツからはうかがえない。
「もう会えないから?」
「…正確には、もう会わないから」
夏の湿気を含んだ風が、二人の間を吹く。
「なんで?」
ナツの口から出たのは、自分でも驚くほど頼りない声だった。
「なんで?」
全く同じ調子で二海が繰り返す。
「自分の”欠点”を見せつけられて、平気な人間なんていないんだよ」
「…二海は”欠点”なんかじゃないよ」
驚く二海の目をにナツはしっかり捉える。
「二海は私だよ。私と二海、二人で白石ナツ」
二海の目が大きく見開かれる。それから二海は綺麗に笑った。
「それが、貴方の答え?」
欠点を見つめなおすことが出来た人は、自分の分身である妖怪自体消えて、見えていたことも、記憶から消えてしまいます。
なんで、廻はまだ向き合えてないんですね…。