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勝手な約束

物の怪マジックの番外編です。

廻と音色出会いの話です。

街灯の下に立っている少女。日付が変わった現在、その存在は明らかに異質ではあったが、人通りのない道では誰も彼女に気付かない。

「何やってんの?こんな所で」

優しそうな女性が話しかけると、少女…廻は顔を上げた。

「迷子?」

黙って頷く廻に女性は暫く考え込む。

「お家、帰りたいよね?」

「…うん」

はっきり聞こえる声で廻が肯定したのを見て、女性は手を差し出す。

「おいで、一戸瀬廻。ちょっと歩こう」

廻は一瞬戸惑うものの、素直に女性の手を握る。


街灯の下を抜けて歩き出すと夜が一層深くなったような錯覚に陥る。無意識に廻の手に力がこもる。

「怖くない?」

「…うん」

静かな道に二人分の足音が微かな音を立てている。

「一つ、質問してもいい?」

廻が頷いたのを確認して女性は続ける。

「もし、自分の嫌いな部分の所為で、自分自身が嫌な目にあったら…どうする?」

廻は質問の内容について真剣に考えを巡らせる。

「ごめんね、ちょっと難しかったかな」

「いや…それは結局自分がいけないの?」

「んー、ちょっと違うけどおおむね正解かな」

廻が突然歩くのを止める。必然的に女性も止まる形になった。

「自分の所為で自分が不幸になるのは別に気になんない。自分の所為で他人を不幸にするより…まし」

「…そう言ってくれるとありがたいよ」

遠くの方で廻を呼ぶ声がする。

「一つ、私も聞いて良い?」

「いいよ」

「お姉さん、名前は?」

いつの間にか女性の背中に羽が生えていた、服装も先程までのとは変わっている。

「音色」

廻を呼ぶ声が近くなる。

「ありがとう、音色」

廻がそう呟いた時にはすでに女性…音色の姿はなく、場所は再び街灯の下へ戻ってきていた。

ただ一つ違ったのは、心配そうにこちらに走ってくる廻の母親の姿が見えたこと。



”自分の所為で他人を不幸にするより…まし”



「わしは貴様の”嫌な部分”だからな。貴様がやらぬなら、わしが他人を巻き込むまでだ」



このおかけでナツ達も巻き込まれます。

音色は悪い奴じゃないよ!!

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