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そのじゅうなな 紅い空、蒼い地上(中編)

時雨がちょっと羨ましいような可哀相な事態におちいります。今回も後書きありません。


辺りは静寂に包まれている。


空は紅く、地上は蒼い

そこには生気を感じさせる生き物はいない。地上はゾンビが徘徊し、


「あ、奥様聞きまして!この前『ゾンビでもまだ痩せれる!』という番組があってましたの!」


空には、吸血鬼が舞っている。


「スーパー『血痕』、タイムサービスだよーっ!」









剣治がかなり前に言った 通りの光景がひろがっている!


「・・・・・そこの悪魔の兄ちゃん。目障りなんだよ!」


「あ、すいません!今どきます!」

「ああんっ?気にくわねぇな。その態度。」


・・・・不良に絡まれました。



どうする?



戦う 戦う


戦う 戦う



・・・魔界のコマンド一つしかない!


「おい、あの不良。・・・・噂のあいつだろっ?」


「ああ、悪魔キラーかなんかだろっ?」


・・・・悪魔キラー?


「・・・死ねやっ!にーちゃん!」


「ごめんなさい!」


ぐしゃゃゃあ!ぐしやあ!


「お、おい見たか!たった二発で原形留めてないぞ!」

「やべっ!あいつ人間じゃねぇ!」


「俺達も人間じゃないけどな!」


「取って食われるぞ!みんな、にげろ!」


だだだだだだだだだだだっ

辺りは静寂につつまれている。


「・・・・ちょっとやりすぎたかな?」


時雨の回りには誰もいない。いるのはさっき襲ってきた不良さんだけである。


この町を出ようとすると一つの人影が時雨の前にでてきた。


女の子であった。紅い眼で必死に時雨を睨んでいる。身長は時雨と同じぐらいで肌の色が青白い。見た目からして身体は弱そうである。・・・・・何となく美人薄命と言う言葉が似合いそうである。


「・・・あのう、僕に何か?」


「・・・・や、やりすぎじゃないんですか!」

後ろからは先程居なくなった野次馬達が叫んでいる。


「おい、嬢ちゃん!そいつは危険だ。離れろ!」


・・・・まいったなぁ。どうすればいいんだろう?


当然、時雨は女の子に対して弱い。てか、誰が相手でも優しい。


「あ、あなたは何でこんな事するんです?」


ここは魔界である。天使の能力が使えない時雨が悪魔になったのは無理はない。・・・・悪魔の力を持っているのは千夏のほうである。

千夏の性格はかなりかわっている。寝ている相手にいたずらしたり、面白い物を見つけたら遊び始める。

そして、普段は出てこない千夏が・・・出てきた。

「・・・うひゃ!かわいーね!」


時雨の体を乗っ取った千夏は早速悪魔の女の子に抱き着き触り始める。

「きやっ!やめてください!」


千夏は止まらない。


「ええじゃんか、姉ちゃん減るもんじゃないだろう。」


セクハラ親父だ。


「お、なかなか大きいの。時雨が聞いたら喜ぶぞ!」

唖然とするギャラリー。

少年がいきなり少女になったからビックリするのは当然である。


「・・・ううっ、やめて・・・誰か助けて。」


助けを求める少女。だがギャラリーは動かない。


助けを聞き付けたのは時雨であった。


「・・・ちょっ、まて、時雨。わかった。わかった。」


千夏は少女を話し中にいる時雨に話し掛けた。


「わかった!わかった!私が悪かった!謝るから。」


その後、千夏は少女に謝罪して理由を話した。




「・・・なるほど」


「・・・ごめんね?後で時雨も謝りたいらしいから。」


「いえ、いいですよ。私が勘違いしただけだから。」

千夏は最後に中で暴れまくった時雨に仕返しを思い付いた。


千夏は悪魔の少女に抱き着き、時雨の意識に代わった。



「あ、あの時雨さんでしたっけ?やめてくれませんか?」


その後、時雨が何回も何回も頭を下げたのは言うまでもないかもしれない。


悪魔の少女の名前はアスルというらしい。


「・・・ごめんなさい、アスルさん。」

あれから少し経った今も時雨は謝っている。


「・・・わかりました。だから謝らないで下さい。」

「じゃあ、何か手伝います!」


「?変わった悪魔さんですね。」


悪魔は基本的に誰かを助けようとしないらしい。


「だけど、さっき『あぶないぞ』とおじさんが言ってませんでした?」


「悪魔は警告までします。だけど、助けてはくれません。」

「・・・・それを知っててなぜ、アスルさんは僕の所にきたんですか?」


「・・・私は体が弱くて力も弱いんですが、誰かが痛みを感じているといじめている人を助けたくなるんですよ。だけど、いつも『うっせーボケが』と言われて突き飛ばされるんです。」

「いじめている人をたすけたくなる?」


普段はいじめられている人を助けるのではないのだろうか?


「いじめている者を優しい性格にすればいじめられる者は居なくなります。」


・・・・ええ娘やぁ〜。


「・・・じゃあなんで千夏姉さんがアスルさんに抱き着いた時、助けてといったんですか?」


あ、固まった。

「そ、それはですね。悪魔の中にも助けてくれる人がいるかもしれないと思ったからです!」


しかし、結果は。


「・・・助けてくれる人、いませんでしたね?」


首を振るアスルさん


「いえ、いましたよ!助けてくれた悪魔が!」


「・・・何処ですか?」


「あなたですっ!」


ちなみに僕は罪人天使です。あ、でも悪魔の力使ってるな?


「・・・でも、僕は何もしてませんよ?」

再度、首を振るアスルさん。


「嬉しかった。今日は家に泊まって行ってください。」


案内された家は豪邸であった。


「お父様!今帰りました!」


扉を開け、大きな声で叫ぶ。


「・・アスルさんのお父さんは何してる人なの?」


顔を赤くするアスルさん。


「・・恥ずかしいですが魔王という仕事をしています。」

魔王=魔界の王様


アスルさんは王様の娘。

魔界のプリンスじゃなかったプリンセス。


プリンセスに抱き着いた僕は・・・・・。


悪魔による断罪




そんな事を考えているとお父様とやらがでてきた。


「・・・お友達かい、アスル?いやーハデスが人間界に行っちゃったから淋しいだろう?」



ハデスのぱ、ぱぱさん!


あっちも僕に気が付いたようだ。

「おや、時雨君じゃないか。魔界にきてたのか。」


「え、はい。実は友人に頼まれ物をされました。」


・・・貴方の首を貰ってこいといわれました。


「そうか、大変だな。で、時雨君どんな物を頼まれたのかな?ハデスを助けたお礼として私が用意しよう。」


言えない、貴方の首が欲しいなんて。


ここで困っている僕を助けてくれる救世主が隣にいた。


「・・・お父様、時雨君に泊まってもらったらどうでしょう?」

「おお、そうだな?時雨君、君に話したい事があるから後で話そう。・・・しかしアスルよ時雨君とどうやって親しくなった?」


抱き着いたら仲良くなりましたなんて口が裂けても言えない。


だが、僕の期待はむなしく心の中にこだました。


「えーっと、時雨君が私に抱き着いて来ました!」


アスルさんは嘘をつけない性格だろうなぁ。これで間違いなく題名は『ハレンチ・エンジェル』にかわるかな?


パパさんは僕を穴が開く程見ている。

「・・・時雨君、なかなかやるな。まぁ、今日はゆっくりしてなさい。」


お咎め無しかな?


「・・・・晩御飯を食べたら処刑台のある中庭に来てくれ。そこで話をしよう。」


アハハ、短い運命だったかな?




そして約束の時間。


料理は普通の物だったが緊張のあまりすすまなかった。

最期の晩餐か。


中庭は静かな所でギロチンが冷たく光っていた。


・・・・僕の血が付くのも時間の問題かもしれない。


「時雨君、君に頼みがある。」


続きは『死んでくれ!』かな?


「マオウを倒してくれ!」

え、あなたじゃないんですか?


近頃、この近くをマオウと言う魔族のドラゴンが暴れているらしい。


「なんでマオウなんて名前なんですか?」

「私がそのドラゴンを退治しないから住民達が『魔王でも倒せないドラゴン』といっているからだ。」


「なんで倒さないんですか?」


「倒す努力はしたんだが、失敗したんだ。言い訳にしか聞こえないかな?」


パパさんは紅い天空を指差しこう言った。


「今、君は悪魔の力しか使えない。しかし空に昇り、祈りを捧げれば罪人天使の力が使えるだろう。」

更に続きを言う。


「・・・悪魔と天使の力を持つ、完璧なアンノウン・エンジェルになれるだろう。」


まただ、剣治も似たような事を言っていた。


「時雨君、マオウを倒してくれないか?」


僕は頷き、先程まで勘違いしていた事を謝る事にした。


「・・・すいません、実は先程友達から頼まれ事をしたといったでしょう?友達は魔王の首が欲しいと言ったんでてっきり、僕マオウの首を魔王と思いました。」


ふふふふっ。


「そうか、だが君は出来なかったわけだ。」

もう一度謝る。


「すいませんでした。」


「いいよ、魔王の首は手に入らない事はその友達も知ってるだろう。今日はもう寝なさい。」


案内された部屋の前でパパさんは一言。


「色々頑張りたまえ。」


「?はい、わかりました。」


部屋の中に入り、早速ベットに入る。


「へぇー!お客さんの部屋にしてはでかいと思うけど、ここが豪邸だからかな?」


時雨は勘違いをしていた。

扉が動き、アスルが時雨のいる部屋に入ってきた。


「し、時雨君?何してんの私の部屋で?」


「え、ここアスルさんの部屋なの!案内されたから寝てたんだよ。ぼ、僕は違う所に行ってくるよ!」


アスルは何か考えている。


「・・・なるほど、お父様が甘えなさいと言ったけどそういう意味ね。ハデスも時雨君の隣で寝たと行ってたし・・・・」



更にぶつぶつ一人で言っていた。

時雨は黙って部屋からでようとしたがアスルの隣で腕を掴まれた。


「・・・時雨君!私、一人で寝るの怖いの!一緒に寝てくれないっ?」


その目は凄い気迫だった。何をされるかわからない。


勇気をもってNOと言おう!


時雨は学校でそんなポスターをみたのを思い出した。


黙っている時雨を見てアスルは悲しそうな顔をして時雨を見上げた。

悲しそうな顔をされると相手がどんないかつい人でも時雨は話し掛けてしまう。


だが、今日の時雨は色々悪い事をしたと感じていたので首を横に振ろうとした。


アスルは最後の作戦を発動させた。


「・・・ハデスはいいのに私とは一緒に寝てくれないんですか?・・・そんなの不公平ですっ!」


幼き頃の時雨は食べ物は必ず蕾と半分こしていた。そうしないと蕾が小さいのに


「不公平だよ!」


と叫ぶのだ。


昔の古傷を触られたような感じになった時雨はアスルに負けた。


「・・・わかりました!隣で寝ます!」


だからお前はアホなのだ!とどこからか聞こえてきそうである。



ベットに入り出来るだけ距離をとった時雨はベットが大きかった事に感謝した。しかし、アスルは許してはくれなかった。

「・・・時雨君、こっち来て下さい。怖いのは嫌です。」


「・・・・。」


時雨は必死に目をつぶり寝たふりをしていた。


「・・・・時雨君、もう寝たんですか?」


「・・・・・」


「・・・・」


アスルさん寝たかな?と思った時雨は少し甘かった。

「・・・時雨君、怖いよ〜。」


時雨のすぐ後ろで聞こえるのだ!


時雨は今度は必死にお経を唱えた。相手が悪魔だったので効果はなかった。


「時雨君!」


「・・・・!」


遂に捕まってしまった。


「えへへ。捕まえたっ!」

その瞬間、時雨は気絶寸前の恐怖を味わったらしい。


ムギュウ。


柔らかな感じがした。


狸寝入りをしていた時雨は遂に言葉を発した。


「・・・・・うわぁ!」


なんとも情けない悲鳴である。


アスルは時雨にくっついたまま喋る。


「時雨君、私が怖いと言ったのに無視したんだ!」


素直に謝る時雨。


「ご、ごめんね?なんとなく恐かったから。」


笑うアスル。


「うふふー。素直な時雨君だー。優しいなー。」


時雨はなんか更に恐くなった。

「・・・時雨君はハデスと契約した?」


「え、してないよ。あの子と契約したら変態だよ?」

「・・・じゃあ、私がハデスより先に時雨君をゲットね?」


その情報が頭の中にすみわたるのに少し時間がかかった。時雨にとって致命的な時間であった。


「もーらい!」


「うわあ!んん!?」


手足をばたつかせていた時雨のむなしい抵抗が力尽き終わってしまった。



次の朝、時雨は少し疲れていた。そして現実逃避をしたのだった。


「・・・時雨君、よく眠れたかな?」


仕掛人だった魔王に時雨は声を搾り出すように答えた。


「・・・・悪夢をみました。・・更にお化けも見たようなきがします。頭の中でお経を唱えましたが効果がありませんでした。」


「そ、そうか。」




それからマオウを倒す準備をして一人出発する事にした時雨。

「たのんだぞ!時雨君!」


ゲームの始まりみたいだ。王様からじゃなくてラスボスであろう魔王からの頼みだが。


アスルさんは朝が弱いそうだ。何となくホッとした僕は豪邸を後にして羽で飛ぶことにした。

ゲームだったら仲間がいるだろうが僕の友達はいないようだ。


「時雨君!待って!」


「う、うわぁああああああ!」


走り来る人影を無視して飛び立とうとした時雨はお経を唱えても成仏しない悪魔に捕まった。


「私も手伝うよ!時雨君のお陰で体が丈夫になったからさ!」



こうして、時雨とアスルは冒険に出たのであった。

「時雨君、仲間をまず探すんだ!ハーレムパーティーをつくるんだぞ!」


魔王が凄まじい事を言ったので時雨はマオウ狩りに不安を抱いた。

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