そのじゅういち 生徒会長の好み(夜)
前回の後編です。
数人の生徒会メンバーを剣治が紹介してくれた夜の事である。
「美奈さん、蕾僕ちょっと学校に用事があるから行ってくるね?」
「兄様、もしかして女の子と駆け落ち?」
「そ、そうなんですか!時雨様?」
「違うよ。生徒会長に呼び出されたんだ。すぐに帰ってくるよ。」
「早く帰ってきてね?」
「怪我しないでくださいね?」
「うん、じゃあ行ってくるね。」
いつもより静かな学校、たどり着いた時雨の携帯が静寂を妨げる。
「剣治かな?」
『あ、もしもししーくん?亜美だけどさっき剣治から電話があったんだ。昼いた場所にきておいてくれだってさ。』
「あ、うん亜美さんありがとう。ところで聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「うん、いいよ?」
「この学校、三年生が生徒会とか運営しないの?」
うーんと唸っている亜美さんだったが、
「昔は保健委員の人のお兄さん達がしてたんだけど、いつのまにか剣治に譲っちゃったんだ。なんでかわからないんだよ不思議だなぁー。」
お礼の言葉を述べ、携帯をきって地下につづく階段をおりる。昼と違っている感覚がするのは気のせいだろうか?
地下の廊下には昼まであった扉が無くなっていた。
誰かに見られている感覚がするのは間違いない。少し廊下を歩いているとなかったはずの曲がり角に差し掛かった。
「君は魔界にいってどうするつもりだい?」
聞き慣れた声だ。多分剣治の声だろう。
「ああ、実は剣治を探してたんだ。電話があったからさ。ところで地下が変わってるけどどうかしたの?」
声の主が現れ答える。
「夜になると変わってしまうんだ。魔界と繋がる廊下になるのさ。」
あの時も繋がっていたのだろう。
「魔界はやっぱ恐い所かな?」
何となく気になるので質問する。
「いや、普通だ。この世界とさしもかわりはしない。」
・・・・簡単に説明すると住んでるのが人間じゃないそうです。
「さて、時雨君。君に見せたい人がいる。ついてきたまえ。」
ついていくとなかったはずの扉の一つがあった。鍵がしまっており、剣治は鍵を持っていないようだ。
「く、まさか鍵をかけられるとは。仕方ない時雨君、下がってなさい。」
何をするつもりだ?
「オレの拳が光って唸る。お前を倒せと轟き叫ぶ!」
な、なんで生徒会長がドモ○・カッシュの技使えるんだ?
「必殺!○ャャァイニィィィングゥゥ・フゥゥィィングァァアーーー。」
扉ドーン。煙モワーン。
「剣治!なんでそんなのつかえんの。」
「テレビ見て覚えた。」
・・・・そうですか。
「さぁ、いこうか?中で人がまってる。」
扉をくぐるとそこはメイド喫茶でした。
「お帰りなさいませー、ご主人様ー。」
「馬鹿っ、てんちょー大変です。ブラックリスト一番霜崎剣治が増援を連れてやってきました。」
店内は慌ただしくなっていく。
次の光景は銃火器を装備したメイドさんが僕等を囲んでいた。
「さて、パーティーを始めようか。時雨君。」
「ちょっと何?剣治、何しでかしてるの!どうすりゃいいの?」
無言で奥の扉を指差す剣治。つまり、あそこに行けば大丈夫ということかなっ?
僕の一言、
「軽くやばい?」
返事をするのはメイドさん達。
「かなりやばい。」
・・・・ノリのいいメイドさん達だ。
剣治が前に出て喋り出した。
「諸君らにつぐ、こちらはゲームを申し上げたい。僕等があっちの扉までいって扉の中に入ったら一つ願いを聞いてくれ。もし、こっちが負けたらなんでもしよう。」
ざわつく店内。
「どうします?店長。」
「また、ゲームか・・・・・嫌だといってもけしかける気だ。今度の私達は一味違う事を証明してやろう。」
叫びあうメイドさん。
「今回は特別ルールだ。こっちは二人いるからどっちかがそれに当たったら負けでいい」
それ、つまりメイドさんが手にしているものである。
「それでは、3・2・1スタート!」
その瞬間、剣治に掴まれテーブルを倒した裏に隠れこむ。
「剣治!なんだよこれは!」
「全てが終わって話そう。」
今、話されてもわからないだろうからとりあえず頷くことにした。
「時雨君、これを渡しておこう。」
・・・・どこから出したのだろう。それはガン○ムの盾であった。
「あ、一年戦争の奴嫌い?じゃあこれは?」
次に出したのは最新のガン○ムのシールドだった。
「ビームがでるが?」
「わかった、もうそれでいいよ。」
腕にはめ、最後に剣治が更になにか取り出した。
「ビーム○イフル?ビームサーベ○!」
「うって構わない、彼女等は種がわれている。」
・・・・あのメイドさんはコーディ○ーターか?
「じゃあなとっつあん!」
「ル○ン三世?」
テーブルの向こうからは銃撃戦の音が聞こえる。
「そこーっ!」
たまに剣治の叫びが聞こえる。
それから、数分後。静かになったようなのでテーブルから顔を出し店内を見渡す。そこに立っているのは誰もいなかった。
「おーい。」
「お茶?」
剣治は店内に倒れているメイドさん達にいろいろ犯罪まがいの事をしている。
そんな時、僕は剣治を狙っている視線に気が付いた。
「剣治!危ない!」
「おそいっ!」
「ふ、任せておけ、時雨君。」
ビームが剣治に当たる瞬間、緑の壁が剣治を守った。
「ば、馬鹿なフィン・フ○ンネルバリアだと・・・貴様ニュー○イプか・・・・・。」
その人も剣治を守った兵器にやられた。
「戦争とは悲しいものよの。」
剣治はまた犯罪まがいの事をしている。
「剣治、やめろよ。起きちゃうよ。」
「大丈夫、もういくから。時雨君もどうかね?」
・・・・・やめておこう。
「僕はいいよ。それより扉の向こうに誰かいるんでしょ?」
立ち上がり頷く剣治。
「そうだな。そろそろいこうか。」
扉の向こうは何もなかった。だが、一人のメイドさんが立っていた。
「今回も派手に暴れましたね、剣治さん。」
首をふる剣治。
「僕は全然暴れてないよ。暴れたのは彼女達だよ。」
頷くメイドさん。
「ああ、時雨君。彼女は冥土の長だよ。」
「はぁ、なるほど。」
「貴方が時雨様ですね?美奈がお世話になってます。」
「あ、はい。どっちかというと世話してもらっていますが。」
それから剣治に何か質問してもいいかと聞いたら、
「別にいいよね?」
「はい。」
と言われたので質問することにした。
「あの、なんでメイド喫茶なんてやってるんですか?」
答えはすごく簡単だった。
「修業です。」
「はぁ、なるほど。じゃあなんで銃を持ってるんですか?」
これもすごく簡単な答えが返ってきた。
「ご主人様を守る為です。」
魔界は間違いなく、危険な所であろう。
「じゃあ最後に、なんで剣治が入ってきたらみんな武装したんですか?」
この答えは少し長かった。
「彼が初めて来た時、彼は私達に抱き着いてきました。抱き着かれたメイドはビックリして彼を撃ちました。だけど彼はそれをよけ、メイドに抱き着きました。それから彼はくるたびにメイドに本気で抱き着いていたので、メイドはみな怒り彼が来る度、襲い掛かるのです。」
「ちなみにゲームを持ち込んだのも僕だよ。」
溜息を出すメイド長さん。
「彼に勝ったメイドは誰もいません。」
つえーな生徒会長。たしか誰とも戦わないっていってなかった?
「あと、僕はそんな事するからメイド長に頼まれたんだ、メイドの戦闘能力を高めてくれってさ。だから月に一度ここに来ているのさ。」
知らなかった。
「実は剣治さんに話したい事があります。今度入って来たメイドがドジなんですよ。だから貴方の家で鍛えてくれませんか?」
「うーん、わかった。」
このメイドさんはかなり剣治を信頼しているようだ。剣治はニヤニヤしている。そして、メイド長に挨拶をしてわかれる。
「さて、言う事聞いてもらうかな?」
そういって扉をくぐる剣治。さっきの部屋にはもう倒れているメイドさんはいなかった。
「まず、メイド長さんから、言われた事です。」
緊張の糸がはりめぐる。
「新しく入って来た人。手を挙げてください。以上!」
一つの手が挙がりメイドさんみんなが安堵の溜息をだす。
「次に約束通り、言う事を聞いてもらいます。」
固まる店内。多分、剣治はいつも犯罪まがいの事をしているのだろう。・・・・・もしかしたら犯罪侵してるかも?
「今回は僕の友達、時雨君に決めてもらう。」
え、なんで?
「彼は説明無しにメイドさんに撃たれた。誰も彼に事情を説明しようともしなかった。彼のメイドさんへの憧れを踏みにじった君達は彼に何をされても文句はないだろう。」
更に静かになる店内。事情を説明してくれなかったのは剣治も一緒である。
「さ、時雨君好きにいっていいよ。」
何を言うべきかかなり迷ったので僕は、
「えーっと、これからもお仕事頑張って下さい。」
と言った。
唖然とする一同。苦笑する剣治。剣治が話し出す。
「彼は優しい人間だ。てか優しすぎる。ま、彼が言った通りしてくれ!以上。」
その後、歓声がおこり僕はメイドさん達に胴上げをされた。(剣治は縄でぐるぐるにされていた。)
遠慮する僕の前にどんどん食べ物が運ばれてくる。 なんとか食べ終わり家に帰る事にした。
また来るよと言った剣治に
「貴方は来なくていいので時雨様が来て下さい。」
という返事が返ってきた。
僕としてはもうきたくないな。メイドさんは少ないほうがいいな。
帰ろうとすると剣治に止められた。
「時雨君、ドジッコメイドが来てないから少し待ちたまえ。」
待っても来ないので剣治がまた店内に入る。
「うわっ!またきました。みなさんコンディションレッド発令!」
弁解する剣治。
「違う!ドジッコメイドを呼びに来ただけだ!」
「嘘いいなさい!時雨様が帰ってやっぱりまたいたずらしにきたんでしょ!」
「わかった!時雨君を呼べばいいのだろう?」
僕は呼ばれ、中に入りドジッコメイドを探すはめになった。(剣治は動こうとする度、足元に銃の弾丸がのめり込んだ。)
メイドさんの案内である部屋の前についた。
「呼んできますね?」
そういって中に入っていったメイドさん
「ほらっ、剣治さんのお友達が呼びにきてるわよ。」
「やだーっ!剣治さんって絶対意地悪するよ!」
「わがまま言う子はこうです。」
どごっ!ぐはあ。
出てきたメイドさんは荷物と気を失ったドジッコメイドを抱えていた。
ドジッコメイドはその後、剣治に抱きしめられ意識を取り戻した。
「時雨様!ぜひ今度来て下さいね?お一人で。」
「わかりました。近いうちにきますよ。」
あまり行きたくなかったが、言ってしまった以上いくべきだ。
帰り道、剣治がドジッコメイドの手を掴もうとしたがドジッコメイドは僕の背中によじ登った。
「やれやれ、どうやら嫌われたらしいな。」
あれだけ触りまくってたら誰でもひくだろう。
しかし剣治はニヤニヤしている。
「えーっと、剣治その顔恐いよ。」
待ってましたと言うように剣治はこう言った。
「ひどいなぁ、時雨君。もとからこんな顔なのに。」
し、知らなかった。
「ごめん。」
「じゃあお詫びにそのドジッコメイド時雨君の家で修業させてやってくれ。」
なんで?剣治の家でさせしなよ。と言おうとしたらドジッコメイドと目を合わせてしまった。
「・・・・わ、わかったよ。」
返事する僕を真剣な顔で見る剣治。
「きちんと世話してあげなよ。」
・・・・世話してもらうんじゃないのか?
「それじゃあ僕はこれで帰るよ。」
走り去る剣治。溜息をつく僕。時刻は夜の11:00急いで帰らないとお巡りさんに補導されてしまう。背中に乗っている女の子は急に喋り出した。
「えーっと私の名前は斉藤 零ですご主人様。」
「べつに時雨でいいよ。」
困惑する零ちゃん。
「え、だって先輩が呼ぶ時は必ず様を付けなさいっていいますよ。」
「じゃあ、好きに呼んでいいよ。これから世話してもらうんだから。」
「はいっ!わかりました。時雨様!」
背中に抱き着いて来る零ちゃん。
僕の中では何か違和感を感じていた。
この子は小さい、またロリな人なのだがなにか違う。
背中に柔らかい感触がしてそれがなにかわかった。
零ちゃんは他のロリな人よりあれが大きいのだ。蕾ほどは間違いなくある。
「零ちゃんって・・・・」
また、千夏姉さんに意識が取られそうになった。
「何ですか?時雨様。」
必死になって考えた結果。
「小さいけど、何歳かな?」
「今年の春に15歳になりました。」
15!僕と一緒だ。
そんな話しをしながら家につくと既にみんな寝ているようだ。珍しく早く寝ているな?
「零ちゃん、あっちの部屋が美奈さんってメイドさんがいる部屋だから今日はそこで寝ていいよ。」
必死になって僕の背中にはりつく零ちゃん。
「嫌です!先輩メイドさんは恐いです。一緒に寝て下さい!」
本当に15?
「わかったから、先にお風呂にいっておいで。」
わかりましたと返事したのでお風呂までの道のりをおしえた。
・・・・母さん遅いなぁ。
居間でテレビを見ながら時間を潰していると、零ちゃんがあがってきた。
「早くねるです!時雨様。」
あのー僕まだお風呂入ってませんが?
「あ、そうです!時雨様お風呂入ってないです。早く入って来て下さい!」
・・・・わかりました。
お風呂からあがり自分の部屋に行って零ちゃんと寝る事になった。
なぜか震えている零ちゃん。
「?どうしたの。」
「・・・・不安です、明日から。」
つまり、彼女は美奈さんに虐められないか不安なのだろう。
「大丈夫だよ。美奈さんはそんな事しないよ。もし、そんな事されたら守ってあげるから。」
「ほんとですか?」
頷く僕は小指を出した。
「ゆびきり。」
「はいっ!」
終わったあと、零ちゃんは安心したのか眠ってしまった。
次の日、朝早く起きた僕は美奈さんと蕾に事情を話した。
「全く、兄様は人が良すぎるんだよ!」
蕾は少し不満そうだ。
「まぁまぁ、蕾様。時雨様が優しくなかったら甘えることができませんよ。その子は私が面倒見ますよ。」
俯く蕾。
「わかったよ、兄様がそうならいいよ。」
礼をいったらよくわからない返事が帰ってきた。
「もう、子猫とか拾ってこないでね?兄様。」
「それは同感ですね。」
母さんは既にいない。昔からよくいない日が多かったのでこういう話し合いをするときは困る。
「後は母さんだけだな。」
今日朝起きたら机の上に母さんからの手紙があった。
『時雨へ、母さんは遠洋漁業に行ってきます。』
母さんの職業は漁師ではない。
『追伸 話し合いは帰ってからにしましょう。』
最後にそう書かれていた。
・・・・多分夏休みの間は母さんは帰ってこないだろう。
時雨は子猫の意味を考えて頭がすこし痛くなった。(僕ははたからみたらロリコンなんだろうか?)
そろそろ時雨達の夏休みも終りですね。さて、今回はかなり色んな人が登場しました。気に入った人がいますでしょうか?次回は時雨が凪さん達の所に行き、彼女達の正体を知る話にしたいと思います。・・・・・よんでくれる人がいたらいいな。




