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仮面ワンダー「アリス」  作者: らゐをふ


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6、「モモタロウ」!参上!!

「シエラ」と呼ばれる謎の少女との戦闘を余儀なくされたハンス達。一方シュク、もとい「紅葉もみじメイジ」は唯一の遊び相手を失い暇を持て余していた。

「アリスが消えた…ハンスに何かあったのね」

 愛する人の緊急事態でも、メイジは冷静に茶を啜る。アリスとの対談を経て、戦う気分じゃ無くなっていたメイジは静かに仮面を外した。

「『アリス』…キミはハンスにどうして貰いたいの?」

 持ち主の居ないパソコンを眺めながらシュクは、思い耽けて呟いた。


「レテル!ダメだ!逃げよう!」

「出来る事ならとっくにしてるわよ!!」

 「終夜しゅうやシンデレラ」の攻撃に防戦一方のハンス達。グレーテルも仮面を被りハンスの味方に付いていた。

「シエラすごいケロ!ガラスの靴ホーミング最強ケロ!」

「私は操ってないんだけど!?」

 勝手に二人を追い詰めていくガラスの破片。それはシエラが作ったものではあるが、誘導しているのはどう見ても「カエル」の方だった。

「これ…私居る?」

「『ユキ』の為に必要な事ケロ!」

「そもそも アイツらを倒したらユキが起きる理屈も無いでしょ!?」

 先程まで無表情だったはずのシエラがキレている。味方同士ってワケじゃないのかとハンスは逃げながら少し考える。対話の可能性が生まれたのならそちらの方が平和に解決出来るはず。その為には、この攻撃をなんとかしなければ。

「アリス!ワンダーしたなら居るんだろ!」

「…はい」

 何故かアリスは少し怒っているように見えた。この「青空あおぞらアリス」の姿になると、アリスと意識を共有出来る事。それを利用して窮地を救われたんだ、なら今回も何か無いか聞きたいけど…

「どしたのアリス」

「いえ…主様に関係の無い事です」

 どうやら戦える気分じゃ無さそう。この状況を打破する方法…レテルはお菓子を操り「人影(お兄ちゃん)」を出す能力しか知らないし…。

「もしこれが無駄な戦闘だとしたらもう許さない!私を弄んで…本当は『ユキ』を眠らせたのアンタなんじゃないの!?」

「そんなワケ無いケロ!流石に傷つくケロ!」

 あちらの喧嘩もピークの様で、こちらの疲れもピークを迎え打つ手がない事に祈るくらいの事しか出来なくなっていた。こんな状況で、誰かが助けてくれるワケ

「お困りの様だな!!!!」

 バカでかい声。振り向くと、変なやつが居た。

「初陣ワン」「なら名乗りが必要ワン」「きっちり決めてやるワン!」

「そんな余裕ないから…」

 桃色のチョンマゲと三匹の白い犬が話し合っている。助けを求めては居たけど、こんなんで良いのかと不安が募ってきた。

「『まつ』!」「『たけ』!」「『うめ』!」

「「「我ら天国の番犬ケルベロス!!!」」」

 可愛らしい犬がポーズを決めていく。その姿に誰もが一度、戦闘を辞めて見入ってしまった。

「お前らさっきと名乗り口上違くない?」

「気分ワン」「気紛れワン」「カッコ良ければイイワン」

 丁髷チョンマゲが頭を抱える。しかし攻撃の手が止まったのも事実、俺はシエラの方を向く。

「興がそがれたケロ 一旦出直すケロ」

「また勝手に…!」

 対話する暇も無く消えてしまったシエラとカエル。アイツらにも何か事情があるのだろうか、また逢ってしまった時どう対処するか…

「ハンス…大丈夫?」

 グレーテルに脇腹をつつかれる。そういえばちょっとした喧嘩をしていたんだった。こういうのは先に謝った方が話が早い、グレーテルの方に振り向き謝罪をしようとすると先に頭を下げたのはグレーテルの方だった。

「ごめんなさい!私が勝手に飛び出したから…こんな目に遭うなんて…」

 今にも泣きそうな声で言うグレーテルを見て、頭をポンと叩く。

「お前はまだ子供なんだし好きな様にすれば良いさ」

「え…怒ってる…?」

「そう…聞こえるかも そうじゃなくて…子供の間違いを正すのが大人だって言いたいの」

「…よく分かんない」

 通じないか。俺だって子供の頃に後悔した事なんて沢山あるし、今だって後悔してる。ただ、それは決して悪い事じゃなくて成長に繋がる良い機会だと捉えれば、無駄なんかじゃないって思えるんだ。子供が理解するには説明が難しいんだけどな。

「分かんなくていいよ もっと分かんないのは…」

 改めて、視線を即興サーカス団に向ける。結局なんなんだコイツら。

「困っている人を助けたい!俺は『桜花おうかモモタロウ』!」

「その相棒のまつ」「たけ」「うめワン!」

 なんとなく想像付いていた、「桃太郎」っぽいよなって。

「それでさ…この姿を解除するにはどうすればいいか知ってる?」

「え…その格好のまま生活してるの!?」

 グレーテルがストレートに突っ込む。こんな派手な格好で過ごせるとか羞恥心鍛え過ぎだろとは確かに思う。

「あのなグレーテル 思っても一回飲み込んで その言葉が相手を傷つけないか考えるようにしような」

「うう…ごめんなさい」

 素直に謝れる。やっぱり根は良い子なんだよな。誰かと違って。

「目には見えないけど 君も仮面を被ったのなら外せば戻るはずだ」

「そういえば被った!これを外す…」

「待って!」「せめて!」「カッコよく別れたかったワン…」

 犬達が消えて、桃色の髪をした青年に戻る。

「なんか…ゴメン犬達」

「この人!髪!元からピンク!!」

「だからグレーテル!!」

 教育って難しいんだな。

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