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仮面ワンダー「アリス」  作者: らゐをふ


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14/14

(1)、夢の続き

 泣き叫ぶアリスを誰も見ることは無い。誰も助けてくれない。ハンスも、周りで騒ぐ人々も、誰も。




 視界に白い物が通り過ぎる。ぐしゃぐしゃの瞼を擦り、ボヤけた「それ」を見つめる。

「……ウサギ?」

 白くて、真っ赤な目をしたウサギが居た。その小さな体に不恰好な仮面を背負っている。

 それを追うようにもう一人の人物が現れた。その青年は、私を見つけると口を抑えて驚いたそぶりを見せる。

「…私が見えるの?」

 深く被った帽子で顔がよく見えない。でもその青年は首を縦に何度も振った。

「……!」

 何かを喋っている様だけど、言葉が聞き取れない。私は会話を試みた。言葉では無い仕草や動きで、何とかコミュニケーションを取った。青年も応じて必死に動く、まるでふたりきりの舞踏会だ。


 ウサギが足元から「仮面」を捧げるように置いた。それを拾うと、ウサギは淡く光りながら透明になっていく。青年の方に視線を向けると、その青年も消えかけていた。

「待って……もう一人にしないで……!」

 青年を抱きしめようとするも、腕は透けてしまう。また泣きそうになる私を、青年は優しく撫でてくれた。

「……キミは一人じゃない」

 ハッキリと聞こえた。その言葉に顔を上げると、青年もウサギも消えていた。不思議な「仮面」だけを残して。

「……どうすればいいの」

 また一人きり。また孤独。それでも、あの青年が残してくれた希望は大事にしたい。仮面を握りしめて、私は歩き始めた。粉々になった仮面の欠片を回収して、愛する人の元へもう一度向かう。


 きっとあの青年は、私を愛してくれる「あの人」だったのかもしれない。

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