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乳母は見届ける  作者: かも ねぎ
青年期
59/65

59 エピローグ


――ああ、どれほどの時が流れたのだろう。


 幼い王子たちの寝台に毛布をかけていた日々が、今では遠い昔のことのように思える。

 あの可哀想な第三王子が、王太子殿下と肩を並べ、そして国の新たな未来を担う者となる日が来るなんて。


 新王コンスタンティン陛下の即位とともに、王女オクタヴィア殿下、第二王子マクシミリアン殿下、そして第三王子エドワード殿下は、正式に王太后陛下の御養子となられた。

 血筋だけではない。志と、未来を共にする者として。

 その瞬間、宮廷は新しい秩序のもとに生まれ変わったのだ。


 正妃アイラ様は、自ら離縁を望まれた。

 もはや一人の人間としての道を選ばれたのだろう。

 彼女が下賜されたのは、あのギルベルト。

 長きにわたり剣をもって王子たちを守り抜いた騎士。

 二人が寄り添って歩む姿を見たとき、わたくしは胸の奥が温かくなるのを感じた。


 そして――エドワード殿下。


 殿下は間もなく外国へ旅立たれる。

 法と統治を学び、やがてウルバヌス猊下の後継として、この国の影を支配する者となるだろう。

 彼が初めてウルバヌス猊下のもとで学び、恐れ、悩み、そして決意した日のことを、わたくしは忘れない。

 あの幼い王子が、今や未来を背負う覚悟を宿した青年となった。



 若き日の陛下と、聡明なる王女殿下。

 騎士となった第二王子殿下と、影を統べる第三王子殿下。

 そして穏やかに微笑む正妃殿下とギルベルト。


 それぞれが己の道を歩み始める。


 ああ――なんと美しい、新しい時代の幕開けだろう。

 わたくしはこれからも、この目で見届けるのだ。

 王国の未来と、彼らの行く末を。


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